ライフスタイルが多様化している人生100年時代にあっては、「平均値を見ても自分には当てはまらない」という人が多くなっているのは事実です。でも、平均値が全く役立たない訳ではありません。平均値からライフプランを見つめ直すと大切なことが見えてくる、今回はそんなお話です。
まず、厚生労働省が発表している「簡易生命表」と「人口動態統計」から、男女別に平均寿命、平均初婚年齢、第1子と第2子誕生年齢をピックアップして、ました。最新の2019年と一世代前の1990年のデータを比較してみました。
約30年前、つまり、親世代と比べると、寿命や結婚、子供が生まれる年齢は全て上昇しています。特に寿命は顕著ですね。男性が1990年で75.9歳だった平均寿命が2019年には81.4歳に。女性も81.9歳が87.4歳と、男女ともに5年半も延びているので、その分、必要になる老後資金も増える、ということです。この老後資金の準備に関しては、子育てが終わった後が最後の「貯め時」だと言われます。第2子の大学卒業を子育ての終わりだと考えると、かつて1990年は54.4歳(男性の第2子誕生年齢32.4歳+22年)から最後の「貯め時」を始めることができました。それが、2019年では今や56.7歳(34.7歳+22年)になっているのです。
年功序列で定年まで給料が上がり続ける、これならならいいのですが、今や55歳役職定年、働き続けても給料が下がるのが一般的です。ですので、我々現役世代は、55歳を過ぎてから始まる最後の「貯め時」を当てにしない方がいいでしょう。むしろ、若いうちから少しずつ老後資金準備を始めるべき、こんなことも平均値から見えてくると思います。
そして、子育てが終わると夫婦2人の生活になります。子育ての期間と夫婦2人で過ごす期間、一体どちらが長いのでしょうか?簡単な計算をしてみましたので、ご確認下さい。
■子育て期間(= 第2子大学卒業 - 第1子誕生)
1990年:54.4歳-29.9歳=24.5年
2019年:56.7歳-32.8歳=23.9年
■夫婦2人の期間(= 男性平均寿命 - 第2子大学卒業)※
1990年:75.9歳-54.4歳=21.5年
2019年:81.4歳-56.7歳=24.7年※厳密に言うと、結婚してから第1子誕生までも「夫婦2人の期間」ですが、今回の計算からは除きました。
実は今や子育てをする期間よりも、その後夫婦だけで過ごす期間が長くなっているのです。老後も長くなり、夫婦2人の時間も長くなる、人生100年時代とはそんな世の中なのです。やらなければいけない大切なこと、見えてきましたよね?