ファイナンシャル・プランナー(FP)とはお金の専門家のことですが、FP資格の勉強で必ず出てくるのが「6つの係数」です。具体的には、終価係数、現価係数、年金終価係数、減債基金係数、資本回収係数、年金現価係数ですが、漢字ばかりで何だか難しそうですね(苦笑)。

  • 「減債基金係数」とは?

    「減債基金係数」とは?

特に名前を見てもイメージしづらいのが「減債基金係数」でしょう。でも、現役世代の皆さまが「6つの係数」の中でも一番使うべきなのが「減債基金係数」だと思うのです。

まず、「減債基金係数」を使って何が計算できるのか、具体例で確認してみましょう。例えば、5年後に新車へ買い替えるため200万円必要だとします。この場合、毎年いくら積み立てる必要があるでしょうか?

この毎年の積立額を利回りに応じて計算するために使うのが、「減債基金係数」です。具体的な積立額は、以下のような減債基金係数表(ネットで検索すればすぐに出てきます)を参照しながら計算します。

例えば、年1%の利回りだと、5年の減債基金係数は0.1960です。毎年の積立額は、200万円×0.1960で39.2万円、月額にすると12で割って約3.3万円ですね。

もう一つ例題として、30年後に老後資金を1,000万円準備する場合を考えてみましょう。年利回り3%、30年の減債基金係数は0.0210。毎年の積立額は、1,000万円×0.0210で21万円、月額だと1.75万円ですね。ちなみに「やっぱり老後資金は2,000万円!」というのなら、毎月の積立額は3.5万円(=1.75万円の2倍)になります。

つまり、将来の目標金額を貯めるために必要な毎年の積立額を計算するのに使うのが、「減債基金係数」なのです。言わば、将来の夢の実現に向けて「いま、できる、こと」を考えるための係数とも言えるでしょう。一方、今、積み立てできる金額から、将来いくらになるかを求めるための係数(年金終価係数)もあります。「減債基金係数」の逆ですね。でも、ライフプランは人生の夢や希望を実現するために考えるものですから、ぜひ、現役世代の皆さまには「減債基金係数」を使って欲しいと思うのです。

もしかしたら、「そもそも減債基金って何?」とモヤモヤされている方がいるかも知れません。でも、そんな野暮なことは言わずに、「夢を実現するために使うのが減債基金係数」とだけ覚えてください。ネットで減債基金を調べても、たぶんモヤモヤ感が増すだけですから(笑)。