GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のホームページには、投資のリスクについてこんな風に説明があります。
このリターンのブレは、リターンの分布の広がりと言ったほうが分かりやすいかも知れません。その広がりは標準偏差という数値で示されます。具体的なイメージを持っていただくため、GPIFの基本ポートフォリオ※2の期待リターン(4%)と標準偏差(12.32%)を使ってグラフを作成してみました。
グラフ(1)は、1年間のリターンの分布は、95%の確率で期待リターンの4%を中心に上下24.64%(=12.32%(1標準偏差)の2倍)の範囲に収まることを意味します。逆に言うと、リターンが-20.64%より大きく下がる確率と+28.64%より大きく上がる確率はそれぞれ2.5%にしかならない、ということです。こうしたグラフでイメージすると、投資は損するか得するかの二択ではなく、幅があるものだと理解できるでしょう。グラフ(2)にあるように0%よりも左側の割合が損をする確率になります。計算してみると37%になりました。
さて、この損をする確率は年を追うごとにどのように変化するでしょうか? グラフ(2)と同じようにGPIFの基本ポートフォリオで5年後と10年後のリターン分布を試算してみました。
面白いでしょう! 実は投資期間が長くなるほど、損をする確率は減るのです。でもリスクが減っている訳ではありません。リターンの分布は1年後よりも5年後、そして10年後の方が平べったく広がっています。つまり、リスクは年々増えるのです。リスクは増えるのに損はしにくくなる?不思議ですね!次回はそれがどういうことなのか、一緒に考えてみましょう!
※1 出所:GPIFのホームページ「分散投資の意義② 投資のリスクとは」、※2 国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の資産構成割合が4資産均等(25%ずつ)