ラグビーワールドカップ日本大会の陰で、いつの間にか世界陸上ドーハ大会が終わってしまいました。世界陸上は日本と時差がある分、注目度が低かったのかも知れません。

そんな世界陸上でも、ドーハの深夜、日本の早朝にスタートしたマラソンや競歩は観戦された方も多いのではないでしょうか。そして、男子の50kmと20kmの競歩では、なんと日本代表がダブルで金メダルを獲得! 来年の東京オリンピックがますます楽しみになりましたね!

  • 日本代表が金メダルを獲得した「競歩」と「iDeCo」の似ているところとは?

私はそもそも、競歩のことをよく知らなかったのですが、競技の時間が長いものですから、ルール解説を聞きながらTV観戦していると、日本代表が優勝のゴールテープを切る頃には一端(いっぱし)の"にわか"競歩ファンになっていました。そして「競歩って、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)と似ているなぁ~」とも思いました。

まず、競歩はいずれかの足は地面についた状態でなければならず(両足が同時に地面から離れると「ロス・オブ・コンタクト」という反則になる)、前足は着地の瞬間から垂直の位置になるまで膝を伸ばすこと(曲がると「ベント・ニー」という反則をとられる)が必要です。

前に進むための一歩一歩の歩みに制限が付けられている、ということですが、これは老後資金準備ための積立投資に拠出限度額という制限があるiDeCoのルールと重なります。公務員の方は月額だと上限金額が1.2万円ですから、競歩と同じような"もどかしさ"を感じている方も多いでしょう。

また、競歩のレースではコース各所に審判員が配置されて、「ロス・オブ・コンタクト」や「ベント・ニ―」の反則がないかどうか、チェックをしています。そして、なんと反則が積み重なるとペナルティゾーンで所定の時間(50km競歩では5分)待機しなければならないのです。

一方、iDeCoの審判員に当たるのは国民年金基金連合会。加入後も職業等の加入資格を年1回、チェックしています。そして、転職等で加入資格がないと判断さると、その期間の積立金額は手数料を差引いて還付されてしまうのです。何だか競歩のペナルティゾーンの話に似てますね。

こんな色々と制限のある競歩とiDeCoですが、一歩一歩の歩みや少額の積立投資を弛まずに続けることが、最終的には大きな成果(=完歩や老後資金準備)に繋がることも共通点だと思います。

さらに、とても印象的だったのが、50km競歩で金メダルを獲った鈴木選手のラスト1周。後続選手の猛追中に、鈴木選手は給水しながら本当に歩いていたのです! 「ラストスパートの体力を温存するためにゆっくり歩いていた」というのが真相ですが、iDeCoの運用商品で預金を選んで相場を休む、という考え方にも通じます。

でも、そうした戦略的な行動をとるためには、レース経験豊富な鈴木選手と同様、iDeCoを通じて投資経験を積んでおくことが必要なのかも知れません。

そして一番の驚きは、世界陸上で鈴木選手が50kmを4時間4分20秒で完歩したこと。実は数年前、私は42.195kmの東京マラソンで完走に6時間もかかりました。歩くよりも遅く走る、という摩訶不思議なことをしていたのですね、私は(笑)。