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【答え】スズキ「キャリィバン」(L40V型)
正解はスズキが1969年に発売した軽ワンボックスの商用バン「キャリイバン」(L40V型)です。通算4世代目にあたるモデルです。
時代の要請に応えて登場した軽のフルキャブ・ワンボックスカテゴリーの中で、スズキは他社との差別化を図るため、デザイナーとしてカロツェリア・ギアから独立したばかりのジョルジェット・ジウジアーロを起用しました。フォルクスワーゲンの初代「ゴルフ」やいすゞ自動車「117クーペ」をデザインした、言わずと知れた大巨匠です。
「キャリイバン」(L40V型)のボディサイズは全長2,990mm、全幅1,295mm、全高1,575mm。広いフロントウインドー、1枚プレスのサイドドア(スライド式ではない)、傾斜したリアウインドーが特徴的な仕上がりで、とりわけ横から見ると、どちらが前でどちらが後ろかわからないほどの前後相似形スタイルが話題を呼びました。さすがはジウジアーロ、遊び心にあふれた斬新なデザインです。当時のカタログには、“ナウなヤング”たちがドライブやキャンプにカッコいいキャリイバンで出かける情景が描かれていました。
この車両はスズキが湯浅電池(現GSユアサ)と共同開発した電気自動車バージョン(オリジナルは360cc空冷2気筒2ストエンジン搭載)で、重い鉛バッテリーをリアラゲッジの床下に何個も吊り下げて搭載し、モーターもフロア下にセットしていました。フロントには懐かしい「EXPO'70」のマークが描かれています。大阪万博では会場内の管理施設のパトロールに使われていたそうです。
今から50年以上も前に、こんなにオシャレで環境を意識した軽EVが登場していたなんて、ちょっとびっくりですね。ただし、キャリイバン自体は大量の荷物を積載することを優先する商用車としてしか認識されず、リアウインドーの傾斜によって荷室容量が限られるデザインが仇となって、ライバルより不利な条件を背負うことになりました。そのいでたちが、ちょっとだけ先に進みすぎていたのかもしれませんね。
それでは、次回をお楽しみに!