喜びのシーンもお悔やみの場面もそれぞれ相応しいマナーがあります。失礼のない、身につけておきたい冠婚葬祭のマナーについてお伝えします。
結婚式のマナー
まずはお祝いごと、結婚式に招かれた際のマナーについてです。招待状はたいて2~3ヶ月前に届くことがほとんどです。手元に届いたら予定がわかっている場合には速やかに、少なくとも1週間以内には返送するようにしましょう。欠席の場合、何らかのコメントを添えるのも大切なマナーです。
「出張がありその日は東京におらず、残念ながら出席が叶いません」など、本当は行きたかったことを葉書の余白を使って伝えましょう。
ご祝儀については、年齢や立場、相手との関係性によっても異なりますが、目安は3万円程度。連名でお渡しする際には、ご祝儀袋に、目上の人から順に中央から左にフルネームで書いていきます。
中包(中の封筒)には金額は旧字(難しい漢字)で書くことも徹底します。 (例:万は萬、三は参、など)
ご祝儀は袱紗(ふくさ)に包んで持参します。お渡しする際には「このたびはまことにおめでとうございます」と、言葉を添えましょう。
結婚式の服装については、男性はダークスーツ。白いシャツに白かグレーのネクタイを。白と黒のストライプもOKです。女性は華やかにしますが、なるべく露出の少ないものを。挙式に参列する場合、肩が隠れるようなショールなどを羽織ります。花嫁と同じ白の服も避けること。新しい門出を迎えるお二人を祝う場ということを意識した装いをチョイスしましょう。
2次会のみに参加する場合、あまりにラフに出かけてしまうとお祝いの席では目立ってしまう可能性も。会場がホテルやレストランの場合、華やかな装いを心がけてもいいでしょう。
お悔やみについてのマナー
訃報が届いたら、まずはお悔やみの言葉を相手の方に伝えます。「ご愁傷さまでございます」と心を込めて。その後、いくつか確認すべき事項を丁寧に確認しましょう。通夜・告別式などの日時や場所。喪主の方のお名前と続柄。供花・花輪・弔電などの受付はどのようになっているかも確認できると、その後どう動くべきかが明確になります。とは言え、お悔やみは突然のことですから、ご遺族にすべてを一気に聞かず、ゆっくり丁寧に確認していくことが大切です。
通夜は「平服で」とありますが、逝去当日でない場合は、喪服で行くべきです。通夜に普段着やおしゃれをした状態で行くのは適しません。
喪服のマナーですが、男性は黒礼服がベスト。靴・靴下ともに黒を選びます。ネクタイについてももちろん黒ですが、光沢のないものが理想的です。不祝儀用として販売されているので、一つ購入しても良いでしょう。 女性は黒基調の地味なスーツで。アクセサリーは一連のパールと一粒のパールピアスまたはイヤリングで、質素にまとめます。
ストッキングは薄い黒のみ。冬場でも厚めのタイツは基本的にはマナー違反です。メイクやヘアスタイルも控えめを心がけましょう。
最後に
そのほか、お祝いの席も悲しみの席も覚えておきたいマナーはたくさん存在します。冠婚葬祭について詳しく載っているマナー本や丁寧に書かれたサイトなどを参考に知識をしっかり入れ、準備をして臨むことが当日の自信ある行動につながります。いざという時にその場に相応しい対応が出来ると、それは間違いなく好感度アップにつながります。
ぜひ今後もアンテナを張ってたくさんの情報をインプットしてください。
執筆者プロフィール:北條 久美子(ほうじょう くみこ)
株式会社 キュー 執行役員。東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。
同時にダイヤモンドジュエリーを販売するBRILIANCE+を運営する株式会社キューの顧問に就任。現在は執行役員として採用や人財育成に携わる。
■ 株式会社 キュー:http://www.brilliance.co.jp/