週末の夜遅くに掲載している「今週のデジタル編集部」。普段の誌面からはちょっとそれまして、編集後記をお送りします。 |
AMDが主催していた「AMD Advancing AI & HPC 2024 Japan」に行ってきました。内容的には特にニュースになるようなものではありませんでしたが、4人目に登壇されていた沖縄科学技術大学院大学(OIST)の先生による講演が個人的にとても印象に残りました。
AIを何の役に立てていくのかという話を通して、先生はAIを「ヒト認知の限界を拡張し、研究プロセスを自動化可能なツール」だと捉えている……という主張だったと思います。AIなら日々大量に提出される論文をすべて読み込むことができ、概ね同じプロセスで進行する研究を高速・並列に自動化可能。いつかAIによるAIの研究成果でノーベル賞を受賞する研究者をAIで生成したい……というお話には熱がこもり、間延びしつつあった会場が一体となって先生の話に耳を傾けているような状況でした。
ただ、登壇者の方々のお話があまりAMD製品に関係していないところが気になりました。HPCであればなんでもいいのか……? という感じで、聞いてる方としては「これAMDのイベントだよね?」という当惑が多少あったような。
でもよく考えると、国内にAMD MI300シリーズで構成されたスーパーコンピューターがそもそも存在していないため、日本でのユースケースとして具体的な事例を紹介しにくいのは仕方なかったかもしれません。CPUにAMD EPYCが採用されている東京科学大学のTSUBAME 4.0も、アクセラレーターはNVIDIA H100ですからね。(高菜)