楽しいアウトドアが一転、事故やトラブルに巻き込まれて死んでしまった……。しかしそんな危険は知っていれば避けられるかもしれません。

山や川、海で死なないために、アウトドアで起きた死亡事例から学ぶ最低限の安全の話をまとめた書籍『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(著者・羽根田 治、イラスト・秋山 貴世、山と溪谷社刊)より、一部をご紹介します。

全5回の連載、第2回は「雷に打たれて死ぬ」です。

雷に打たれて死ぬ

  • 『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(山と渓谷社)より

8月上旬のある日の午後、大学の登山サークルの4人パーティが、南アルプスの北岳~間ノ岳稜線上をたどっていたときに、雷が鳴り出して雹や雨が降ってきました。このため彼らは近くにある山荘に逃げ込みましたが、最後尾を歩いていた20代の男子大学生の姿が見当たらなくなりました。その後、しばらくして別の登山者が登山道で倒れている学生を発見し、消防に通報。連絡を受けた山荘から、夏山診療で常駐していた医師が現場に駆けつけ、学生の死亡を確認しました。頭部には燃えた痕があり、足先に掛けて電流が流れた痕跡も見られ(ズボンが焦げて破れたようになっていた)、のちに雷が頭部を直撃したことによる落雷死であることが特定されました。

死なないためには

天気予報で大気の状態や雷雨の予報、雷注意報などをチェックし、リスクが高そうなら計画を練り直す。とくに雷が多発する夏山シーズン中は「早発早着」を実践し、午後の早いうちに行動を終える計画を立てる。行動中は気象情報サイトの雷レーダーを見たり、雲の様子を観察したりしてリスクを早めに察知しよう。

『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』

  • 『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(山と渓谷社)

まさか、こんなことで死ぬなんて。
アウトドアでの死の事例53から学ぶ、最低限知らなければならない安全の話。

ころんで死ぬ、ダニに噛まれて死ぬ、助けようとして死ぬ、キャンプの炊事中に死ぬ、風に飛ばされて死ぬ――など、アウトドアには「まさか、こんなことで……」と思うような、死の危険がたくさんあります。 本書では、アウトドアで実際に起こった死亡事例を紹介し、どうしたらそのような目にあわないか、安全に身を守るための解説をしています。

死の危険は、知っていれば避けられる可能性が高くなる。
アウトドアで自分や大切な人が危険な目にあわないために、最低限の安全の知識が書かれた本です。

著者:羽根田 治
発売日:2023.07.19発売
販売価格:1,430円
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