「理不尽な要求をしてくるクライアント」「年功序列で得た地位を守ることに必死な上司」「愛想だけで評価を上げようとする新人」「仕事はできないが口だけは一人前の先輩」……。どんな会社に勤めていても、1人や2人「なんだこいつ」と思うような人と出会うものです。

存在するだけならまだしも、直接仕事で関わりがあると、理不尽なことを言われたり、ムチャな要求をされたりと、自分がダメージを受けることもあるでしょう。直接文句を言えれば楽だけど、世の中そんなに強い人ばかりじゃありません。

本連載は、そんなやり場のない怒りや不満を抱える企業戦士たちに、「こむぎこをこねたもの」が、優しくことばをかけてくれるというもの。何か事態が好転するわけではないのですが、ちょっとだけ気持ちが軽くなるかもしれません。ココロに染みる「こむぎのことば」を、おひとついかがでしょうか?

時間内に終わるよう工夫したのに……

努力して効率よく仕事を進めた結果、「仕事量が少ない」と判断されたり、短時間でできるならばとさらに仕事を増やされてしまったり(給料は増えない)、はたまた、「手を抜いている」と言われてしまったり、なんて話をよく聞きます。

せっかく時間内に仕事を終わらせたのに、そのことが原因で仕事を増やされて残業をしなければならなくなるのは、なかなかに理不尽です。

もちろん忙しい時期には残業するときもあるでしょうが、業務時間が決まっているにもかかわらず、その時間内で終わらないような仕事量を、常に強いるのも変ですよね。

言われる前に宿題を終わらせた子供に「もっと勉強しなさい」と叱ってもその子のやる気を出せないのと同じで、大人だってせっかく早く仕事を終わらせたのに、そのことを評価されず、ただ「もっとやれ」と言われても納得いくはずありません。

また、こうした出来事を通して「自分がどうしたいか」が、見えてくることもありそうです。

仕事が増えても頼られたいか、対価が増えれば仕事が増えてもいいか、そんなことよりとにかく早く帰りたいか、もはや職場を変えたいか……、自分と今の仕事との距離感は、常に把握しておきたいところですね。