第1回・第2回では、「これからの世の中、サラリーマンとしてだけでなく、起業という働き方を考えることが重要になってくる。起業とは思っているよりノーリスクハイリターンである」というお話をしました。
今回は、じゃあ実際にサラリーマン起業家としてどんなことをすればいいかを、私の体験や知見からお話をさせていただきます。
サラリーマン大家は正解なのか?
まず、気になるのが、サラリーマンという立場を利用して得られるメリットでしょう。その答えのひとつとしてよく言われているのが「サラリーマン大家」です。サラリーマンとしての「信用」があるので、銀行からお金を借りることができるというのが一番のメリットですね。
結論から言うと、サラリーマン大家は「ハイリスクローリターン」だと思っています。サラリーマン大家の本があれだけ大量に売れているのは、つまりはレッドオーシャンと化している証拠です。少子化・過疎化が進んでいく中で、唯一、不動産投資をしていいのは東京でしょう。しかし、その東京も大震災のリスクにさらされているわけです。
1981年に新耐震基準となったマンションは、2011年の東北大震災は生き延びることができました。しかし、2016年の熊本地震は震度6以上が2回連続で起きたことで、新耐震基準のマンションですら倒壊しました。つまり、数千万円・数億円という単位で借金が積み上がる一方で、地震リスクには晒されるわけです。
僕はやりませんが、あなたはそれでもやりますか?
人を助けて悪いか!!
ぜひみなさんにやってほしいのは、「ワクワクする《あったらいいな》を考え続ける」ということです。
カフェに行って、「こんなサービスあったらもっとお客さん入るのになぁ」とか、「100%遅刻しないようにしたいけど、いいWebサービスないかなぁ」とか。「そもそもなんで不動産屋さんってあんなに儲かって羽振りいいんだろう。おかしくない?」という発想から新しい格安不動産サービスが生まれたり、「貧困層にいる子供たちを救うにはどうしたらいいんだ」という社会的課題から社会的サービスが生まれたりします。
人それぞれ、興味関心のある分野は違うと思いますが、「自分がワクワクするアイディアを考え続け、メモり続ける」ということをしてください。
起業を成功させるためには、「成功させるまでがんばるエネルギー量」が必要です。そのためには、「自分の一番興味のある分野で、これだけ多くのアイディアを考え、一番良いアイディアだから絶対に成功する!」という強い気持ちが必要です。
なので、その良いアイディアを見つけることが、サラリーマン起業家の第一歩です。
良いアイディアを見つけられれば、次にやるのは、「事業企画書を作って友人に相談・簡単なサービスを作ってしまって、友人などに使ってみてもらう」ことです。
この段階では、売上が発生しているわけでもなんでもないので、今お勤めの会社にバレるわけもないですし、バレたところで「人助けのためのサービスを考えて何が悪いか!! 」というレベルですね。
起業のための勉強なんて一切意味なし!!
サラリーマン起業家としてやってはいけないのは、「起業のために勉強が必要なので、デザインの勉強をする」とか、「資格をとる」ってことです。人間のエネルギー量は限られています。「起業したいなぁ~」のエネルギーは、その全てのエネルギーを「起業後のサービス作り」に注ぎ込むべきです。
言い方は悪いですが、「どうせ起業なんて失敗する」のです。
1回目、小さなサービスを作ってみて、失敗だと思えば別のサービスを作ればいいですし、「やってみることで学ぶことが多くある」のです。勉強することにエネルギーを取られず、最短距離でまずはやってみましょう。
そして、PDCAサイクルを回し続けながら起業スキルを向上させましょう。かくいう私も「起業における発信スキルを向上させたい」と考えてこの連載を引き受けたわけです(笑)。中学のときの国語は赤点だったので、私にとってはまさに大チャレンジです!
次回は、「起業家ってどんな仕事をしているの?」というテーマで、実際はみなさんと変わらないぞ~というお話をしたいと思います。
■ 執筆者プロフィール:小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)
株式会社スパルタ英会話 代表取締役
慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3ヶ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、 年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリー にという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。
■株式会社スパルタ英会話