小茂鳥流、宝くじ理論 - ロジカルに思考する

皆さんも一度は目にした機会があるであろう宝くじ。今回は、この宝くじを論理的に考察してみましょう。

みなさんは宝くじって買いますか? 買うとしたら何枚買いますか? 私は宝くじを「1枚だけ」買うようにしています。2枚は絶対に買いません。必ず1枚のみです。なぜ私が考える最適な答えが、「宝くじを1枚だけ買う」なのか。ご説明しましょう。

一見、コラムの趣旨である、ベンチャー企業とはかなりかけ離れますが、実は私はいつもこのようなことを考え続けながら経営しています。いわゆる「フェルミ推定」だったり、「ロジカルに考えるとどうなるのか」だったりということをし続けているのです。

• 宝くじを1枚だけ買うとは?

　宝くじの期待価値

「期待値」というものがありますが、宝くじを論理的に考えるにあたり、この期待値の概念を活用します。

例えば、ここに10枚の宝くじがそれぞれ300円で売っていたとします。この中に、当たりくじは1枚だけです。つまり当たる確率は10%。当たると1,000円もらえます。

さて、こんな宝くじは買うべきでしょうか?

期待値で考えてみましょう。このように計算します。

宝くじ1枚の期待値
=当たりくじの確率×当たりくじの賞金
=10%×1000円
=100円

つまり、この宝くじを買うということは、「たった100円の期待値しかない宝くじを300円かけて買う」ということです。

もっと言い方をきつくすると、「100円の価値の紙切れを300円で買う」という意味不明のことをすることになるのです。

実際の宝くじの期待値がいくらかというと、約50%。

つまり上記の計算に結構近く、みなさんは150円の期待値の宝くじを300円で買わなきゃいけないわけです。

ですから、基本的には、宝くじは買わないほうがいいのです!

　0枚と1枚の大きな違い

とはいえ、0枚と1枚だと大きく違います。0枚の状態で持てる期待・夢は0%。断固ゼロです。

一方で、1枚でも宝くじを持っていたら、夢は広がりませんか?

1枚でも2枚でも1等3億円が当たる確率はほとんど変わりません。0.00005%か0.00001%かの違いです(笑)。

この差に300円払うのはちょっとアホらしいですね……。

ということで、1枚だけを買って「大きな夢を見る」というのが宝くじの正しい楽しみ方ではないでしょうか。

　前後賞が当たったら悔しいのか?

前後賞も同じ発想です。1枚で3億円とか5億円が当たれば、十分嬉しい。前後賞で1億円とか当たれば、かなり嬉しい。結局、3枚買っていても、その端っこだけ前後賞が当たるかもしれません。

前後賞も合わせて全額を当てにいくなんて、それこそ万に一つもない確率なんです。最初からそんな狙いはせず、「夢を買う」という感覚で買うといいのではないでしょうか。

　ノーリスクハイリターンによる起業論

本コラムでは、最初から「ノーリスクハイリターンで起業しましょう」と述べてきました。宝くじも同じです。たった300円でハイリターンを得る可能性があります。

一方で3,000円や30,000円はリターンに対してリスクが合っていません。なので、1枚宝くじ理論となるのです。