出かける前は忘れずに
ようやく沖縄が梅雨入りした。平年に比べると約2週間遅れだが、聞くところによれば、梅雨入りと梅雨明けには必ずしも相関関係は認められないとのこと。梅雨明けの時期は平年どおり6月23日前後、という報道も。6月最終週を予定している沖縄旅行、狙いどおり夏本番モードで臨めそうだ。
もちろん、かの地でぼんやり日々を過ごすことはない。仕事を1日でも休むと調子が狂うため、ノートPCは必需品。美しい海は格好の写真の素材となるので、あれこれ撮影したい欲もある。防水機能付きデジタルカメラの検証作業も、車で30分の湘南海岸より沖縄の透明度の高い海のほうがサマになるというものだ。
日常の仕事道具一式プラスαの重装備となること必至の状況だが、そのままでは移動が困難になるため、可能なかぎり装備を絞り込まねばならない。複数の機器で共有 / 代替可能なもの……KOMONOの充電をUSBで統一できれば複数の充電器やACアダプタを持ち運ばずにすむかも……という目算のもと、沖縄旅行前に安定稼働させるべく、リサーチを開始した。
そして発見したのが、サンコーから発売されている「USBなんでもチャージャー」。iPodや各種携帯電話のほか、デジタルカメラの内蔵電池にも対応するなど活用範囲の広さが特徴のUSB充電器だ。価格も2,000円以下と手頃、ものは試しと購入した次第。
直接充電か、アダプタ充電か
このUSBなんでもチャージャーは、USBバスパワーから電源を供給、上部に見えるプラスとマイナスの接点にバッテリーを接続 (以下、直接充電) するか、給電用USBケーブルに接続 (以下、アダプタ充電) するかの2方式で充電を行う。本体サイズは5.5×8.5×2.6cmと手のひらサイズ、USBケーブルや変換アダプタを考慮しなければ、持ち運びも容易だ。ACからの電源供給を望む向きも多いと思うが、USBならば海外でもそのまま利用できる。PCは必携というユーザならば、USBのほうが好都合だろう。
最大の特徴は、やはり直接充電が可能なこと。プラス / マイナス極に端子を直接接続するため、バッテリーの形状を問わない。端子は車のワイパーのように可動するため、アクアブルーのクリップに挟める程度の高さであればOK。プラス / マイナス極は自動判定されるため、装着しやすい方向にセットすればいい。5V未満のバッテリーならば、おそらく支障なく使えるはずだ。
一方のアダプタ充電は、かんたん接続が身上。PC本体と接続するUSBポート (A端子) の反対側にミニB端子用のポートが配されているので、そこへ付属の給電用USBケーブルを接続、ケーブルの先にアダプタを接続するだけで準備は完了だ。付属のアダプタは、任天堂DS用とPSP / W-Zero3用、iPod (Dock端子) 用、FOMA / SoftBank用、au用の計5種。これだけでもかなり便利に使えることだろう。
端子部分がちょっと微妙かも
直接充電とアダプタ充電の2方式に対応する本製品だが、やはり目玉は前者。リチウムイオンなど内蔵型のバッテリーの形状は千差万別のため、使用の可否に関する明確な線引きは難しいが、参考にはなるはずだ。
まず試したのは、コンパクトデジタルカメラ「SONY Cyber-shot DSC-T10」内蔵の「NP-FT1」。3.6Vのリチウムイオンバッテリーで、サイズは約45×35×4mmだ。クリップの締め付けが甘いうえに、滑り止めのはずのラバーが滑りやすく、端子が密着した状態で安定するまでは手間がかかったが、充電は滞りなく完了した。Linuxザウルスこと「SHARP SL-C1000」で使うリチウムイオンバッテリー「EA-BL11」 (3.7V) も、固定後はなにごともなく充電できた。
ちなみに、OLYMPUS E-300で使う「PS-BLM1」 (7.2V) を試したところ、結果は×。本製品には昇圧回路がなく、出力はあくまでUSBの仕様 (5V) 範囲内、それを超えるバッテリーは検出されず充電もできない。デジタル一眼レフカメラのバッテリーは、おそらく大部分が5V以上のため、これまでどおり充電器を用意しなければならなそうだ。
というわけで、この「USBなんでもチャージャー」、めでたく沖縄旅行への帯同が決定。正直、端子部分の接触が微妙な点は不満だが、コンパクトデジタルカメラと携帯電話の充電器を1つに集約できるメリットがそれを上回る。この夏、大いに活躍してくれそうな予感だ。
○サンコー 「USBなんでもチャージャー」 |
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機能 | ★★ | |
価格 | ★★★★ | |
楽しさ | ★ | |
怪しさ | ★★★★ | |
衝動買い | ★★★★★ | |
TOTAL | ★★★ |