オフの場面でワンセグを楽しみたい

アンダー1万円でGETした、三洋電機のワンセグTV「SANYO LVT-ND35」

斬新な新商品の不在に泣いていたPC周辺機器カテゴリにおいて、昨年スマッシュヒットを記録した「USBワンセグチューナー」。USBポートに挿し専用ソフトを起動するだけで、クリアなデジタル放送を視聴でき、さらに録画やEPG、字幕放送といった機能も利用できてしまうという高機能が話題となった。しかも価格帯はアンダー1万円、従来のアナログTVチューナーより扱いやすいとあれば、人気を集めるのも不思議はない。

確かに安くて便利なUSBワンセグチューナーだが、1つ欠点が。テレビ番組の視聴にPCは必須、ふとんの中やトイレの中 (失敬) といった「OFFの場面」では利用が難しいのだ。そもそもテレビという媒体は、なにか他の作業を並行して行う"ながら利用"に適さないが、難しいことを考えずだらりと過ごす場面には最適。PCなしに視聴できるほうが、楽しめるに違いない。

付属のACアダプタ (5V) で充電する

電機メーカー各社はケータイやカーナビのワンセグ対応を進めているが、いかんせん他に重要なタスクを持つデバイスのこと。ケータイでは待ち受け状態維持のため長時間の視聴は憚られ、カーナビでは道案内のために映像の中断が余儀なくされる。やはり使い勝手ではテレビ専用機のほうが上だろう。

いろいろ物色したところ、発見しました「SANYO LVT-ND35」。2007年夏発売と旬の時期は過ぎつつあるKOMONOなれど、数日前驚きの9,980円で捕獲に成功せり、本日ここに紹介するという次第。

iPod touchと比べると厚みはあるが、面積は大きく変わらない

この価格で3.5インチ液晶を搭載

このLVT-ND35、競合機種 (表1) に比べ液晶画面が一回り大きいことが特徴。探せばアンダー1万円で入手可能な「DXアンテナ LVS-31」は2.5インチ、安い店でもまだまだ2万円台の「SONY XDV-100」が2.8インチであることを考えると、LVT-ND35の3.5インチというスペックはきらりと光る。かといって外形寸法が一回り大きいということもなく、ほぼ同サイズといっていい。3.5インチで薄さ17mmは、なかなかのもの。

表1:同価格帯ワンセグTVとの比較

機種名 液晶サイズ 電源 持続時間 外形寸法 (mm)
SANYO LVT-ND35 3.0 内蔵バッテリ / ACアダプタ 3時間 118×72×17
SONY XDV-100 2.8 Li-ion 5.5時間 98.3×61×15.1
DXアンテナ LVS-31 2.5(4:3) 単3×2 5時間 90×60×27

電源には内蔵のリチウムイオン充電池を使用する。連続使用時間は最長約3時間 (画面モードは「節約」、ヘッドホン使用時) と、XDV-100およびLVS-31と比較すると短いが、ニュース番組やドラマを見るには十分。バッテリ残量を気にしながらケータイのワンセグ機能を使うことを思えば、ワンセグ専用で3時間は許容範囲内だろう。

もちろんワンセグTVとしての基本機能は押さえている。録画には対応しないものの、電子番組表 (EPG) の表示、音声多重放送 (主 / 副 / 主+副) や字幕放送のサポートなど、用意は万端。アンテナの長さは約12cm、自由に曲げられるので視聴のじゃまになることはない。付属のスタンドを使えば、見やすい角度でワンセグ放送を楽しむこともできる。

EPGで放送予定をチェックできる

文字放送にも対応してます

視聴中に番組名を表示できる

約12cmのアンテナは角度の調整が可能

惜しむらくは、ワンセグTV以外の機能を持たないこと。前述のXDV-100はFM/AMラジオとしても利用できるが、LVT-ND35はテレビオンリー。携帯用のストラップは付属するが、キャリングケースは省略、充電用のクレードルもない。ステレオヘッドフォンは別売にしてでも、サイズがピッタリの市販品を見つけることが難しいキャリングケースは同梱してほしかったところだ。

画面モード切替が早ければ……

LVT-ND35の使い勝手だが、ワンセグTVとしての機能は十分。液晶の明るさもまずまず、これなら屋外でも十分使えそう。筆者が試した自宅マンション窓際の場合、電源ONから映像が表示されるまで10~20秒ほど待たされたが、これは電波の状態もあるため如何ともしがたいところか。

気になったのは、画面モードを切り替えるときの手間。ワンセグの番組には、アスペクトレシオが16:9 (320×180ピクセル) と 4:3 (320×240ピクセル) の2タイプあり、LVT-ND35では画面モードに「フルスクリーン」を選択していると画面全体に空き間なく表示してくれる。それはありがたいのだが、16:9の番組は映像の一部がカット & 拡大して320×240で表示され、粗い画面となるため、番組内容によっては拡大しないままのほうが好ましいこともある。しかし、番組のアスペクトレシオによってフルスクリーンとそれ以外の画面モードを切り替えたいと思っても、メニューボタンから画面モード設定を選び……と切り替えまで10秒前後かかってしまうのだ。

メインメニュー画面。表面右上の[メニュー]ボタンから呼び出す

この画面モード切替がちょっと面倒

その点さえ納得できれば、このLVT-ND35はおススメだ。筆者が"ポチッとな"したアンダー1万円という価格でのコストパフォーマンスは、3.5インチという液晶サイズもあわせると、かなりの水準と思われる。ところで、三洋電機からは浴室でも視聴可能な防水性能を持つ兄弟機「LVT-WD40」が発売されているため、湯船につかりながらテレビでも、と考えている向きはそちらを検討したほうがいいかもしれない。

○三洋電機
SANYO LVT-ND35
機能 ★★★
価格 ★★★★★
楽しさ ★★★
怪しさ ★★
衝動買い ★★★★
TOTAL ★★★