わたあめで元気百倍!
見た目がいわゆる「大人」になって気付いたことの1つが、外見がどのように変わろうとも、中身は子供時代と大差ないということ。如才なく身過ぎ世過ぎするようにはなったが、好物は変わらずカレーとからあげ。少しの運動で息切れするが、時々公園でやるバドミントンは今も楽しい。いわんや玩具をや、三つ子の魂百までとはよくいったものだ。
子供がTVCMを見てアレを欲しい、コレを欲しいというようになると、にわかに沸き立つ自分の中の子供の部分。大型玩具店へ娘と出かけたときには、教育に役立つものというより、自分が欲しいものへと誘導するのは必然。とはいえ敵もさるもの、泣き叫び攻撃という奥の手がある。というわけで、これまで購入した玩具の多くは、娘と父親の嗜好がミックスした妥協の産物だ。
だが、今回の買い物は自分が押し切った。その名も「アンパンマン たべっ子わたあめ」(価格6,279円)、玩具メーカーのアガツマが販売する子供向けのわたあめ製造機だ。子供の時分にもスーパーのゲームコーナーの隅で見かけたものだが、その頃は母親にムダ遣いはダメ、虫歯になるからダメと止められ、思いを果たせなかった。今なら存分にわたあめを食すことができる……というわけで、パパがわたあめ屋さんになるから買いにきてね、ほらここにアンパンマンの絵もついてるよと娘を言いくるめ、家路を急いだ次第。
音がうるさくて力が出ない……
わたあめの実体は、無粋な言い方をすれば「細く延びて絡まりあった飴」。砂糖を加熱して液状化したものに遠心力を加え、小さな穴から排出することにより、飛び出た物体(飴)を急速に冷却し糸のように細く固めることを可能にする。それらが絡まりあい綿状になったものを棒ですくい取れば、わたあめの完成だ。
「アンパンマン たべっ子わたあめ」の構造も、上述の基本原理を踏襲するものとなっている。電源をONにすると、砂糖を溶かす部品(回転がま)が熱せられるとともに回転し始めるので、3分ほど待機して余熱を蓄えたあとグラニュー糖を注ぎ口へ投下すればOK。さすがは子供用玩具、これだけでわたあめができてしまう。
とはいえ、気になる点もある。1つは、回転がまが発する騒音。隣近所に響くというほどではないにせよ、掃除機に匹敵するレベル。たとえていえば、Xserveのファン回転音がもう少し低音域にシフトした感じだ(余計わかりにくいか)。
もう1つは、わたあめが飛び散る問題。受け皿上部は開放されているので、まさに"綿ぼこり"が宙に舞うのだ。いや、綿ぼこりならばモップで拭き取り無害化できるので、綿アメぼこりというのが正解か。この特殊なほこりは放置すると溶けて床にこびりつき、奥様の怒りをかうこと必至なので、早急に対策を講じなければ……というわけでパパのわたあめ屋さんは急遽店じまい、近所のDIYショップへ車を飛ばした。
わたあめじいさんはどこだ? ハヒフヘホー
DIYショップで購入したものは、ごく平凡なポリスチレン板。サイズは450×600mm、これを細長く2つに切断し、受け皿の周囲(約107cm)を覆ってしまおうという目論見だ。上部はガラ空きとなるが、ラップをかぶせれば用は足り、しかも掃除しやすいはず。
家に帰り着いたあとは、開店に備えひたすら作業。カッターでポリスチレン板を切り、セロハンテープで受け皿に固定、目論見どおり上部はラップで覆うことに成功。これで準備万端、パパのわたあめ屋さん開店です、いらっしゃいませ~と娘を呼び寄せ、一緒にわたあめをつくり始めた。
ポリスチレン板とラップでつくったカバーは、見た目のチープさはともかくかなり効果的。騒音対策にはならないが、綿アメぼこり問題はこれでほぼ解決できた。メンテナンスもかんたん、お湯にひたした布巾で拭き取るだけ、ラップは使い捨てればいいので、さほど負担にはならない。もちろん、回転がまや受け皿にこびりついた砂糖 -- 遊び始めてからしばらく経つと、部屋の湿気で綿アメぼこりが固まる -- を取る手間に変わりはないものの、奥様に叱られずにすむのがうれしい、というよりホッとする。
ところで、素朴な疑問なのだが……アンパンマンには、わたあめじいさんというキャラが存在するはずなのに、製品のどこにもじいさんの姿が見当たらないのはなぜなのか? これは捨て置けぬ。だって、万一「アンパンマン たべっ子釜めし」なる製品が売り出されたとして、かまめしどんがいなかったら寂しいだろう!? まあ、子供向けの釜めしつくり機が売り出される可能性は、万に一つもないのだろうけれど。
○アガツマ 「アンパンマン たべっ子わたあめ」 |
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機能 | ★ | |
価格 | ★★★★ | |
楽しさ | ★★★★★ | |
怪しさ | ★★ | |
衝動買い | ★★★★ | |
TOTAL | ★★★ |