温泉好きなら一度は訪れたいのが有馬温泉(兵庫県神戸市北区)。地下60キロから湧出するプレート直結温泉は世界的にも珍しいのだとか。鉄分と塩分を含む赤茶色の「金泉」と、炭酸やラドン泉を含む無色透明の「銀泉」がある。温泉街を歩いてきた。
日帰り温泉の代表「金の湯」「銀の湯」
まずは日帰り温泉施設「金の湯」「銀の湯」(2館券 金の湯・銀の湯/850円)。金の湯では、日本一塩分が濃いことでも知られる「金泉」に入れる。金泉は、湧き出す際には無色透明だが、湯に包まれた鉄分が空気に触れることで赤茶色に濁るという。
銀の湯では、銀泉とラジウム泉が楽しめる。太閤さん(豊臣秀吉)が入った岩風呂をイメージした浴室で、うたせ湯や蒸し風呂をイメージしたスチーム式サウナも完備。
最古の宿で半混浴の湯に挑戦
有馬温泉最古の宿といわれる「陶泉 御所坊(とうせん ごしょぼう)」でも日帰り入浴ができる(1,650円)。金泉が湧き出る源泉掛け流しの大浴場「金剛泉」は、男湯と女湯が背の低い柵と岩で区切られた半混浴・半露天式。この半混浴が可能なのも赤茶色に濁った金泉ならでは。肩まで浸かっていればお互いに裸は見えない。
温泉通をうならせる濃厚な湯
超濃厚な金泉に浸かれるのが、老舗旅館「上大坊(かみおおぼう)」(立ち寄り入浴1,000円)。お湯がとにかく濃いのが、見た目の湯の色や体の温まりぐあいではっきりとわかる。レトロな浴室で湯船も広くはないが、その雰囲気がまた味わい深い。
「小宿」で温泉を味わうシンプルステイ
宿泊したのは「小宿 八多屋」。テレビもない部屋でシンプルに過ごすのも、温泉旅にぴったり。
藤井聡太の勝負メシ「神戸牛すき鍋膳」
必食の温泉グルメは老舗旅館「中の坊瑞苑」内に併設された和食レストラン「旬彩 猪名野(いなの)」の名物「神戸牛すき鍋膳」(3,520円)。将棋の第61期王位戦で藤井聡太棋聖(現在は五冠)の勝負メシにもなった。
驚きのなめらかさ! 日本一のジェラート
カフェ併設のジェラテリア「アリマジェラテリアスタジオーネ」では、「ジェラートワールドツアージャパン2019 横浜」で優勝した日本一のジェラートが味わえる。
店内奥の厨房で手作りされるジェラートには、六甲山麓の酪農家限定の濃厚な牛乳のみを使用。生の果実をそのままジェラートにした、鮮やかな色にフレッシュな味わいが特徴だ。ジェラートにとって最適な温度管理で、最高になめらかな質感!
芸妓さん文化に触れるカフェ
芸妓cafe「一糸(いと)」は2015年、置屋をまとめる組合「有馬検番(ありまけんばん)」の1階をリニューアルして生まれたカフェ。現役の芸妓が常駐し、舞台での踊りを観覧できるほか、お座敷あそびなどを体験させてもらえる。普段なかなかお目にかかれない敷居の高い世界を気軽に楽しめる。
メイクから着付けまで現役の有馬芸妓が行う「有馬芸妓変身体験」(3万3,000円)、夜は現役の有馬芸妓と過ごせる貸切プラン(完全予約制)もある。
歴史深い温泉街をそぞろ歩き
天神泉源と呼ばれる金泉の泉源が湧く神社「有馬天神社」は、観光客から撮影スポットとしても人気。98度の熱湯が吹き出し湯煙を上げる姿が見られる。