エントリーシートや面接で必ず問われる自己PR。ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)、志望動機と合わせて選考の3大テーマの一つで、就活準備では相手にアピールできる自己PRづくりは避けて通ることができません。
今回は、自分の強みやPRポイントを整理して、自己PRを作成する手順を解説します。
企業が人材を採用する背景を意識しよう
まずは、自分の強みをひと言で表現できるキーワードを見つけましょう。これまでの人生を振り返って、自分はどんな力を身に付けてきたのか、大学生活の学業やクラブ活動のなかで、どんな力を発揮できたかを考えてみましょう。
その際に重要となるのは、企業の利益貢献につながるキーワードを見つけること。なぜかというと、企業が人材を採用するのは、言うまでもなく「利益を上げるため」です。
企業は社会の課題解決をしながら事業を通じて利益を上げ、従業員に給与を支払い、税金を納めることで社会に貢献しています。当たり前のことですが、企業は自社の利益に貢献してくれる人材を採用したいのです。
採用担当者の視点を考えてみよう
では、どんな力があれば、企業の利益に貢献できるでしょうか。代表的な例をいくつかご紹介します。
例えば、主体的に目標を設定し、アクションプランを立て、試行錯誤や改善ができる「目標達成能力」です。企業では、売り上げを伸ばす、コストを下げる、効率化を推進するなど、業務内容や職種によってさまざまな目標が掲げられます。
そのすべてが利益を上げることにつながっているのです。すべての社員は、それぞれに課されたミッションを遂行しゴールに到達するために、誰かの指示を待つのではなく自ら主体的に目標を設定し、アクションプランを立て、さまざまな工夫をし、試行錯誤や改善を繰り返していきます。利益を上げるためには、目標達成に向けた一連のプロセスを遂行する能力が不可欠なのです。
「成長可能性」も重要なキーワード。たとえ、就活時にはビジネスパーソンとしての能力が未知数であっても、大切なのは入社後の伸びしろがあるかどうかです。決して現状に満足することなく、目標達成のため、そして自分が成長するために何ごとにも積極的に取り組み、どん欲に学び続ける意欲があるかどうかが重要。
採用担当者は、「この人は入社後もどんどん成長してくれるだろうか?」という視点で学生を見ているのです。
また、「協調性」も大切なキーワードです。仕事は決して1人でするものではありません。目標達成に向けて、それぞれの部署やチームで協力して業務にあたります。同じ職場の仲間と協力して仕事が進められるか、他の部署や取引先の人としっかりコミュニケーションを取り、協力し合える関係づくりができるかどうかが求められます。
利益貢献につながるキーワードを見つけよう
採用担当者の視点が理解できたら、あらためて自分にどんな力があるのか、自分自身を見つめなおしてみましょう。もちろん、目標達成能力、成長可能性、協調性以外にも、利益貢献につながる力はたくさんあります。問題解決能力、論理的思考力、主体的行動力、リーダーシップ、継続力などなど、数え上げれば切りがないほどです。
ここで重要なのは、それらの力を証明できる具体的なエピソードがあるかどうか。エントリーシートや面接では、単に自分の強みやアピールポイントを紹介するだけでなく、その力をどんなときに発揮できたのか、その力を証明するエピソードが求められます。
また、エピソードはできるだけ具体的に整理しましょう。大切なのは、5W1Hです。 誰が(Who)は、自分自身に決まっていますが、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、なぜ?(Why)、どのように(How)に取り組んだのか。
どんな目標を設定して、どんな困難や課題に直面して、それをどのように乗り越えたのか。そのときに、どんな力を発揮したのか、あるいはその経験を通してどんな力が身に付いたのかなどが、しっかり相手に伝わるように表現しましょう。