ペンシルベニア大学とコーネル大学の研究チームは、細胞レベルで超小型のロボットを開発している。驚くことにゾウリムシよりも小さい。そして目でとらえることもできないほど小型だ。
超小型というこれだけの情報ですごい可能性を秘めたロボットだと感じてしまう。では、この超小型のロボットとは何だろうか、彼らは何のために開発しているのだろうか、今回はそんな話題について紹介したいと思う。
ペンシルベニア大学らが開発している超小型ロボットとは?
ペンシルベニア大学、コーネル大学らの研究者は、超小型のロボットを開発している。この超小型ロボットにまだ名称はないようだ。
超小型といってもどれくらいの大きさだろうか。実は、厚さ約5ミクロン、幅40ミクロン、長さ40〜70ミクロン。ゾウリムシよりも小さくて、もちろん小さすぎて肉眼で見ることが難しいほどなのだ。
では、こんな超小型なロボットはどのように製造されているのだろうか。実は、シリコン太陽電池と簡単な電気回路そしてアクチュエータのみで構成されているという。
ではどのように動くのだろうか。太陽電池にレーザを照射する。レーザが照射したときに、起電力が発生するので、アクチュエータが動くというもの。アクチュエータといっても、電気的に駆動するものではない。太陽電池のレーザが照射されている間に発生する電圧によって、プラチナのストリップが曲がるのだ。プラチナが手足となって曲がることで超小型ロボットが動くという仕組みだ。
また、この超小型ロボットの動画も配信されているのでぜひご覧いただきたい。
超小型ロボットの活用シーンとは?
では、この超小型ロボットはどのようなシーンで活用されるのだろうか。 現時点で、まだこの超小型ロボットは原始的で動きも遅いという。速度は、秒速30ミクロン。そして計算機機能も搭載していない。しかし、今後は、速く動けるように改良するとともに、さまざまな機能を搭載していく計画だという。
具体的には、植物では害虫と戦ったり、動物では血流を循環して感染症や癌細胞を感知したりするなどの生物学的状況での応用を想定しているようだ。
いかがだっただろうか。コンピューターも、より良く、より安く、より小さくなることで世界が変わった。
このことはロボットでも同じことが言えるだろう、そう彼らは述べている。