現在テレビ朝日系で放送中の『君とゆきて咲く~新選組青春録~』(毎週水曜24:15~※一部地域除く)は、手塚治虫氏の隠れた名作『新選組』を初映像化するシン・時代劇ドラマ。幕末という混沌の時代を閃光のごとく駆け抜け、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春を、本格的な殺陣や流麗な剣舞も取り入れながら美しく描いている。19日放送の第9話では、芹沢鴨(三浦涼介)が近藤勇(高野洸)に、突然「土方歳三(阪本奨悟)を斬れ」「自分と土方のどちらかを選べ」と“運命の選択”を迫るという展開に。

マイナビニュースのキャストインタビュー連載第8回には、そんな新選組副長・土方歳三役の阪本奨悟が登場。局長・近藤勇(高野洸)の右腕として、新選組の実務を一手に担っている土方は、常に冷静沈着で冷酷な判断を下すため、“鬼の副長”として恐れられているが、内には“組のため”という熱い思いを秘めている。今回は阪本にそんな土方役に込めている思いや、同じ幹部隊士キャストとのエピソードを聞いた。

  • 阪本奨悟

    阪本奨悟 『君ゆき』キャストからのニックネームは、阪本さん、奨悟 撮影:樋川智昭

演じる役の推しポイント

土方は鬼の副長と呼ばれるほどすごく厳しくて、皆から恐れられている存在ではあるのですが、鬼になる所以や理由、なぜ鬼として新選組を引っ張ろうとしているのか、その内側には秘めた思いがあって。隊のためにそうせざるを得ない行動を取っていたり、近藤さんのことを思って大変な役割を引き受けたりと、責任感の強さを人一倍持っている人なんじゃないかなと思います。そういった部分を僕も大事に演じていきたいですし、見ている方にも受け取っていただけたらうれしいです。

「新選組幹部隊士」(高野洸・阪本奨悟・永田崇人・三浦涼介)の強み・魅力

経験値は負けていない……と言いたいですね、実際にそうなのかは分からないんですけど(笑)。でも、僕も含めて役者としてのキャリアが長いメンバーが集まっているので、これまで培ってきたものを、この作品でもしっかり出せたらいいなと思っています。

『君ゆき』の「●●隊長」宣言

音楽だけは、自分が隊長と名乗れるものかなと思います。小4の頃にギターを始めて、14歳の頃にちゃんと人前で歌い始めて、そこからずっと音楽活動を続けているので。歌といえば、(永田)崇人(山南敬助役)と、洸とカラオケに行きました。Mr.Childrenが大好きなので、「ミスチル縛りカラオケしようよ」って。曲がたくさんあるので1日じゃ足りないぐらいでした。すごく楽しかったです。

  • 「カメラに向かってファンサービスポーズ」をリクエスト

『君ゆき』キャストの面白エピソード

4月に行われた会見で、「特撮作品経験者の俳優さんが多いですが、あるあるエピソードがあれば教えてください」という質問があったんです。そのとき全く関係ないのに、羽谷勝太(南無之介役)が冗談で「僕も仮面ライダーに出ていたので……」って話し始めて、崇人に「仮面ライダー汗っかきだもんな!」と言われていたのは面白かったです。「仮面ライダー汗っかき」というフレーズが、シンプルなんですけど、かわいくてツボにハマっちゃって(笑)。あのやりとりは好きでしたね。

『君ゆき』に活きている経験

これまでたくさんの舞台に立たせていただきましたが、幕末を舞台にした作品や、新選組を描いた作品で得たことが、今作につながっていると感じます。2.5次元作品をはじめ、舞台では殺陣に挑むことが多いので、その経験も活きているなと。今作も新選組の物語で、殺陣を避けては通れないわけですが、斎藤一や沖田総司といった剣術の達人がいるなかで、僕も幹部隊士の一人・土方歳三として、恥ずかしくない殺陣を見せていきたいです。

■阪本奨悟
1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。2007年よりミュージカル「テニスの王子様」4代目越前リョーマ役でブレイクし、その後シンガーソングライターとして活動。2017年に福山雅治プロデュース・両A面シングル「鼻声/しょっぱい涙」でメジャーデビューを果たし、映画・アニメなどの主題歌も担当。俳優としては、2018年よりミュージカル『刀剣乱舞』に出演しており、近年の出演作に、音楽劇『まほろばかなた』(主演・高杉晋作役)、舞台『演劇調異譚「xxxHOLiC」』シリーズ(主演・四月一日君尋役)、舞台『「鬼滅の刃」其の肆 遊郭侵入』(主演・竈門炭治郎役) 、ドラマ『俺の美女化が止まらない!?』(九井恭平/恋々乃役)など。

■『君とゆきて咲く~新選組青春録~』第9話あらすじ
恋した遊女とひそかに会っていたところを抑えられ、長州との間者ではないかと疑われた渋皮喜平(簡秀吉)はその夜以来、隊士たちの前から姿を消した――。深草丘十郎(奥智哉)は先輩隊士から「渋皮は実家に帰された」と聞かされるが、彼が粛清されたことを察した鎌切大作(前田拳太郎)は罪悪感に苛まれ、吐き気が止まらずにいた。渋皮の一件は隊士たちの胸に少なからぬざわめきをもたらし、大作も丘十郎も“何が正しいのか”、そして“自分たちはどう進むべきなのか”迷いはじめる。その頃、幹部はさらにザワついていた。かねてから狼藉を繰り返し、最近では尊王攘夷派との宴会に明け暮れる芹沢鴨(三浦涼介)が会津藩主・松平容保(味方良介)との謁見に姿を見せず、容保公からの信頼が揺らぎはじめていたのだ。見かねた近藤勇(高野洸)は謁見に参加してほしいと頼むが、芹沢は何を思ったか、自分と土方歳三(阪本奨悟)のどちらかを選べ、と近藤に告げて……!? 名指しされた土方は、ある決意を固めていたが!? そしてついに、芹沢失脚の瞬間が訪れる……。