サウナが空前の大ブーム。

「サ活」、「ととのう」といったサウナ言葉も生まれるほどの人気で、近所の銭湯もいつも大混雑。

体内の深部温度を上げることで、ストレスから体を守るヒートショックプロテインを活性化し、自律神経を整えたり、間接的に免疫力を高めたりする効果もあるので、これからの寒くなる季節はさらに人気が高まることでしょう。

フィンランドで行われた「JAMA Intern Med.2015」調査調査では、週に2~3回サウナを利用する男性は、利用しない男性よりも心血管関連の原因で死亡する確率が27%低くかったそうです。

また、サウナの利用頻度が増えればその確率もさらに下がり、認知症やアルツハイマー病になるリスクも下がるという結果にもつながっており、様々な健康効果が期待されています。

しかしサウナに入っている間、じっと耐えるだけで何もしないのはもったいない!

体が温まり血流も良くなっている状態でもあるので、軽いストレッチはおススメ。もちろん高温環境下なので、過度に血圧を上げるような無理な動きや激しいストレッチ、息を止めながら行うことは非常に危険。自身の体調には細心の注意をしながら行っていただきたいということはここで先に述べておきます。

風呂上りやサウナ上がりに体重が減って喜んでいる人がよくいますが、それはただ脱水状態。むしろ水分不足の状態が長時間続くことは血流の悪化にもつながり、腰痛改善にも逆効果。

サウナ前後で体重が変わらないくらい、途中でもしっかりとこまめに水分補給を行い、体温が上がっている状態でストレッチを行うことが理想的です。もちろん、サウナの中で体を動かすのはちょっと…という方は、体が温まった外気浴中に行ってもOK!

そこで今回は周りの人に気付かれにくく、こっそりできる腰痛改善ストレッチをご紹介しますので時間を有効活用してやってみてください! もちろんオフィスなどで行っても気付かれないので、思いっきり体を動かせないという人も是非!

シーテッドヒップヒンジ

まずは多くの人が拘縮している太ももの裏の筋肉であるハムストリングス。ハムストリングスが硬くなると猫背になり、腰痛にもつながっていきます。

普段から椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばすことでも骨盤のポジションは整いやすくなります。20分に一回程度は立ち上がって座り直すことを意識付けるだけでも座位の姿勢が変わり、腰痛になりにくくなります。

  • (1)お尻の穴を後ろの人に見せるようなイメージで背筋を伸ばして座る

  • (2)片脚をゆっくり伸ばし、足首を反らせてつま先を天井に向ける

  • (3)余裕があれば骨盤を軸にして上体を倒していく

※倒せばストレッチができる訳ではないので、背中を丸めないように注意

シーテッドフィギアフォーストレッチ

次はハムストリングスとつながりの深いお尻のストレッチです。

運動不足や不良姿勢の継続で、お尻の筋力は低下し硬くなっていきます。お尻の筋肉が硬くなることで腰痛を引き起こすことはもちろん、膝痛などにもつながりますのでハムストリングスと合わせてストレッチを忘れずに行いましょう。

  • (1)背筋を伸ばして片脚を組んで座る。

  • (2)骨盤を軸にしてゆっくりと上体を倒していく

※こちらも背中を丸めずに胸を張ったまま倒していきましょう

シーテッドツイスト

腰が痛いから腰を回す(捻る)人がいますが、これは腰痛を悪化させる原因の一つです。実際に動かしてほしいのは、腰ではなく股関節と胸椎。

人の体は良く動く関節と、安定性のある関節が交互に積み重なっています。股関節と胸椎はしっかりと動く可動性、その間に挟まれている腰は安定性が大切。股関節と胸椎が動き辛い人ほど、その分の動きを腰が代償してしまい、痛みを引き起こします。

前述の二つのストレッチでは股関節の動きに重要な筋肉をほぐしたので、次は胸椎の柔軟性を高めて腰痛知らずの体を目指しましょう。

  • (1)背筋を伸ばして座り、頭の後でタオルが撓まないよう引っ張って持つ

  • (2)ゆっくりと胸を開くように体を回し、決して首に負荷をかけないように注意する

※タオルが一本の棒になったと意識して行うと、肘の位置が動かずにしっかりと胸が張れます

プリズナーソラシックローテーション

胸椎の可動性が増すと呼吸も深くなり、腰痛以外にも様々な不調を取り除いてくれます。歩き方や姿勢が美しくなることはもちろん、睡眠も深くなり疲れにくい体にもつながっていきます。

最初は動かしにくいかもしれませんが、決して無理をせずに徐々に背骨のしなやかさを出すように動かしていきましょう。腰を捻るのではなく、胸を開くというイメージを忘れずに!

  • (1)背筋を伸ばして座り、首に負荷をかけないよう頭の後ろで軽く指を組む

  • (2)肘が閉じてこないように、ゆっくりと胸を開き斜め上方に体を回す

※腰は反らないように注意し、深く大きな呼吸を続けるようにする

著者プロフィール:KENTA

パーソナルトレーナー、SIXPAD HOME GYM WAVER(インストラクター)、ライター、モデルとしても活動するマルチフィットネストレーナー。