四国犬の子犬

国の天然記念物に指定

■四国犬の歴史
四国犬は、日本原産の中型犬種で、国の天然記念物に指定された7犬種(現存は6犬種)の1つです。かつては土佐犬と呼ばれていましたが、四国犬をもとに闘犬として改良された別犬種の「土佐闘犬」との混同を避けるため、四国犬と改称されました。

四国犬は、紀元前より日本にいた中型犬が祖先とされています。大正、昭和の初期から現在の高知県を中心とする四国山脈の山間部で、主にイノシシやクマ狩りのための狩猟犬として活躍してきた犬種です。

交通の便が悪い険しい山岳地帯で飼育されていたことが功を奏し、純粋性を保つ結果となりました。産地によって「阿波」「本川」「幡多」「安芸」「宇和島」などの系統に分かれていましたが、飼育地がへき地だったことから「本川」系がもっとも純血性が高いとされています。

昭和初期、洋犬の輸入が活発になり、日本犬を飼う人が減少した際に日本犬を保存しようという機運が起こりました。優秀な日本犬を求めた結果、四国の山間部から四国犬が発掘され、全国に紹介されます。

1937年には国の天然記念物に指定されましたが、その当時は「土佐」と呼ばれていたことは前述の通りです。

現在では家庭犬として一般家庭にも定着しましたが、その素朴で野性味を残した風貌や性格で、熱狂的なファンを有しています。

■四国犬の特徴と性格
四国犬は山岳地方の厳しい環境の中での過酷な狩猟に耐えてきた中型犬で、極めて頑強な体力の持ち主です。体形はバランスがとれ、高い運動能力や持久力を持っています。

素朴ながら、オオカミを思わせる精強で野性味あふれる顔つきも魅力です。冬は厚い下毛が生え、夏は下毛が抜けスリムな体形となり、寒暖の変化にも柔軟に対応できます。

性格は純朴で勇敢。冷静で、状況判断力にすぐれます。飼い主にはこれ以上ないほどに従順です。反面、他人にへの警戒心は強く、番犬に向いています。ただし、場合によっては攻撃性が強く出過ぎることがあり、ふとしたきっかけで他人にかみつく危険性もあるため、散歩などの際には注意が必要です。

■飼うなら…
忠実な性格のため、飼い主以外のしつけは受け付けない傾向が強いので、子犬の頃からのしっかりとしたトレーニングが重要です。

中型犬ですが、運動量は極めて豊富なので、散歩の時間はたっぷりと確保してあげる必要があります。最低朝晩2回の散歩を心掛けましょう。被毛の手入れは日に1、2度のブラッシングで十分ですが、冬毛から夏毛への換毛期は、より入念な手入れが必要です。

■画像提供元
ペットショップ「COO&RIKU」