iDのプラットフォーム上で展開するNTTドコモのケータイクレジット「DCMX」は、ポストペイ方式の気軽さや、利用可能な場所の幅広さが受け、開始から1年強で300万人近い会員を獲得した。では、あえてドコモのクレジットカードを利用するメリットはどこにあるのか? DCMXならではの、ほかにはないメリットを聞いた。
電子クーポン「トルカ」と連動してお得な情報も見逃さない
おサイフケータイならではの仕組みとして注目が集まるのが、電子クーポンの「トルカ」である。トルカとは、902iシリーズから始まった仕組みで、専用のリーダー/ライターにケータイをタッチするだけで、クーポンを自動的に受け取ることが可能となっている。
トルカの仕様は903iシリーズで拡張され、クーポンに有効期限を設定したり、読み取り機でクーポンの内容を読み取ることができたりと、使い勝手も徐々に改善されている。
以前は、トルカ専用のリーダー/ライターが必要だったが、iDでは、決済と同時にトルカを受け取ることができるような仕様となっている。「仕様を公開していますので、基本的に誰でも組み込めます。店舗によって、さまざまな使い方が考えられるのではないでしょうか」(横内氏)というように、自由度も高い。
「例えば、タワーレコードでは、iDで決済した際に、新譜の情報や、会員サイトへの誘導を図れるトルカを配布しています。また、ショッピングモールで、トルカをもらうとジュースが当たるといったような使い方もできます。NTTドコモ東海でも、プロモーションに活用したという事例を聞いていますね」(横内氏)
つまり、ユーザー側の視点で見ると、iDで決済するだけで、おトクなクーポンが手に入る可能性があるということだ。
筆者も、都内を走るあるタクシーに乗った際に、iDで決済したところ、トルカを取得できた。残念ながら、このトルカはタクシー会社のサイトに接続するだけで、特に割引などはなかったが、トルカから配車を依頼することで、確実にiDの使えるタクシーに乗れるというメリットも生じている。
ケータイで受け取れるクーポンである「トルカ」。割引などを実施するところも、今後増えてくるだろう(写真は東京無線のタクシーで決済した際に取得できるトルカ) |
通常のクレジットカードでは、このように柔軟なクーポンを設定することは困難だ(店舗が紙のクーポンを配れば別だが)。これはまさに、ケータイとクレジットが一体となった、iDのメリットといえるだろう。
ケータイ利用に便利なクレジット特典
とはいえ、トルカを取得できるのはDCMXに限らず、各社のiD対応クレジットサービスに共通した仕組み。DCMXにしか出せないメリットは、"ケータイを使いこなすユーザー"に優しい特典にある。
「通常のDCMXでは、100円で1ポイント、ドコモポイントが付きます。また、ケータイが全損した際に、最大で1万円のキャッシュバックが受けられるので、安心してケータイをお使いいただけるのではないでしょうか。このほかにも、WORLD WING(海外で利用できるケータイをレンタルするサービス)を無料で利用できるなど、ケータイ会社だからできる特典を揃えています」(相沢氏)
ポイントは通常の商品に交換することも可能だが、ドコモポイントに換えることで、ケータイを購入する際に割引を受けることができる。充電台や予備の電池パックなどを購入することも可能だ。
ケータイの補償も、特に高価な最新機種を購入する際には嬉しいサービスといえるだろう。相沢氏の言うとおり、ケータイユーザーに嬉しい特典が満載なのだ。
また、ゴールドカードである「DCMX GOLD」では、より豪華な特典が用意されているという。
「DCMX GOLDでは、ケータイの補償額が5万円になるのに加え、一部のドコモショップで導入されている『ゴールドレーン』の利用も可能になります。また、ドコモプレミアクラブのステージが一気に『プレミアステージ』になったり、『おまかせロック』『ケータイお探しサービス』『電話帳お預かりサービス』の利用料をキャッシュバックしたりと、ドコモだからできる特典を多数用意しました」(藤巻氏)
ドコモショップで優先的に案内される「ゴールドレーン」や、よりポイントがたまりやすくなる「プレミアステージ」へのアップグレード、そして、各種サービス利用料のキャッシュバックなど、ケータイを活用している人ほどお得になる特典が満載。さらに、最新機種を自宅に送ってもらえるなど、"ケータイ好き"には実利以上のメリットもあるのだ。
もちろん、これらのサービスは「通常のカードにあるような、旅行時の保険などは、すべて満たした上です」(相沢氏)という。ケータイクレジットとはいえ、通常のプラスチックカード(MasterCardまたはVISA)も発行されるため、海外を含むiDが利用できない場所でも問題はない。
DCMXでは、このようなプラスチックカードも発行される。ケータイ会社ならではの、おトクな特典も満載だ。ちなみに、DCMXは年会費無料(1年に1回も利用しないと次年度1,312円)。DCMX GOLDでも年会費15,750円と、サービス内容を考えれば比較的割安な年会費で維持できる |
「新たにカードを作りたい」「カードを変えてみたい」と考えている人は、ぜひDCMXを候補に加えてみてはいかがだろう?