「ムリ、カバン、ジュンビ。って今、日本語しゃべった!?」
韓ドラを見ていて、字幕にある言葉と同じ音が聞こえてくることはありませんか?日本語と同じ発音で、同じ意味の言葉が突然耳に飛び込んできちゃうような。
韓国語といえば、記号にしか見えないハングルで書かれた言語と思っている人も多く、日本語との共通点が見えづらいのではないでしょうか。でもよく考えてみると、韓国の方の名前って漢字でも書けますよね。それは、韓国ではもともと漢字を使っていたから。
現在の韓国語にも、多くの漢字語が含まれています。例えば、“カムサハムニダ”は“感謝합니다”とも書けます。韓国では1970年代から漢字廃止に向けてすべてをハングル表記にしていったのですが、1980年代までは実際このように表記していたのです。この場合、感謝を“カムサ”と読んでいるわけで、言われてみれば日本語と音が近いですよね。記憶は“キオッ”、約束は“ヤクソッ”など、似た音の単語はたくさんあります。
まったく同じ音の漢字語もあって、無理は“ムリ”。カバンは“カバン”。気分は“キブン”だし、準備は“ジュンビ”。このあたりは、ドラマを観ていて自然と耳に飛び込んでくるんじゃないでしょうか。
秘書は“ピソ”でこれまた音が近い。で、「キム秘書はいったい、なぜ?」のパク・ミニョンの役名はキム・ミソです。これは“ピソ”と“ミソ”の音の近さでダジャレにするための、あえての設定。劇中では、ミソが銀行で自分の名前を書くときに、思わず“キム・ピソ”と書いてしまうシーンがありました。仕事人間すぎて、自分の名前と役職が混乱してしまうという現状を表した場面です。そして、音を使ったダジャレが大好きなのも韓国と日本の共通点かもしれません。最近は漢字の上に韓国語の読みを入れた字幕でダジャレをそのまま伝えようとするドラマが増えています。
なんだか韓国語学習のコラムっぽくなってしまいましたが、音の近さが面白いなと思ったタイトルがありまして。今年4月に日本でも公開された「高速道路家族」という映画なんですけれども。このタイトルの韓国語発音は“コソッドロカジョッ”なんですよ。6文字の漢字の音が全部近くて、耳で聞くと完全に意味そのまま伝わるなと思ってビックリ。空耳アワーのようで、本当にそのままの意味なんだっていう。ちなみにチョン・イルがホームレス家族の父親役を演じた衝撃作で、社会派映画やドラマが好きな方におすすめな作品です。
⇒他の「韓国ドラマあるある」もチェック!