10~40代の男女から年間200件以上の恋愛相談を受けている内埜さくら先生が、みなさまの恋愛のお悩みに回答する本コーナー。今回は、浮気して自分を振った元カノが憎くて仕方がない、という男性からのご相談です。
【相談】
10代後半の男性です。ある日突然、彼女から「距離を置きたい」と言われ一時別れました。僕が大学受験に失敗して浪人が決まったからです。落ちたことを伝えたとき、彼女はすごく泣いて、「裏切った」などとボロクソに言いました。
そしてその後、彼女から「もうよりを戻せない。気持ちが冷めたから別れたい」と言われました。挽回は難しいと判断し、彼女の意思を尊重しましたが、共通の知人から、彼女が僕とつき合っているときから、僕の友人と浮気していたことを知らされました。
しかも、彼女と友人はその後つき合い出したそうで、先日、彼女の新しい彼氏であるその友人から、「彼女も苦しんでいるから、もう自分たちに関わらないでほしい」という電話まで来ました。
正直、彼女も浮気相手の男友達も憎くて仕方ありません。
僕は今までけっこうな人数とつき合って来ましたが、一番最悪な終わり方だったけど一番忘れられない存在がこの元カノです。復縁ができるならしたいし、たとえ無理でももう吹っ切って前をそろそろ向きたいです。
【回答】
最初に結論からお伝えさせていただきますと、相談者さんは元カノのことは忘れて、新たなパートナーを探したほうが賢明です。その理由は以下です。
■相談者さんが受験に失敗した際、彼女が「裏切ったなどボロクソに言った」こと
受験に失敗することは「裏切り」ではありません。確かに試験に落ちたことで約束を破ったかもしれませんが、試験というものは、受験前から「必ず合格する」とは約束できないものではないでしょうか。「必ず合格する」という意気込みを表明することはできても、約束はできないのが受験なのです。約束できれば、日本に受験など必要ありません。
しかも、彼女は肝心な事実を忘れて自身の感情ばかり優先しています。試験に受からず最も落ち込んでいるのは、周囲の人ではなく相談者さんご自身です。こういった場合は、受験に失敗した当人を励ますことが恋人の役目であり人としての筋ではないでしょうか。「復縁できるならしたい」と考えている相談者さんには耳が痛い言葉かもしれませんが、彼女が自分勝手な人間だという本性が表れたのです。
■彼女が自分の気持ちを新しい彼氏に代弁させたこと
新しい彼氏が2人の間に割って入ってきて彼女の気持ちを代弁するということは、彼女はそれまでの経緯をすべて、新しい彼氏に告げています。それは、"相談者さんの男としての格を下げる"行為です。
男としての格を下げる行為を、悩んだとしても実行に移す女性を、わたしは相談者さんにお勧めできません。しかも彼女は、自分が原因でトラブルになったのに、困ったら処理を新しい彼氏=第三者に任せるという子供じみた性格です。これは周囲が指摘して直る性格ではありません。本人が自覚し「直そう」と決意すれば変われますが、現状では難しいと思います。
■相談者さんがもっとも大変な時期に浮気をしたこと
浮気が悪い行為であることは周知の事実ですが、経緯から推察すると、彼女は相談者さんが受験勉強を頑張っている最中に浮気をしていたことになります。交際相手が一番、努力しなければいけない間に浮気をするのは、年齢や性別を問わずパートナー失格の条件です。
彼女のこれまでの行いをまとめると、
■支えるべき場面で自身の感情を優先する
■男としての格を下げる行為を平気で実行する
■恋人が努力している最中に浮気をする
女性ということになります。これだけのマイナス条件が羅列されたら、わたしを含め周囲の人たちは「別れて正解」だと言うはずですが、そう簡単に心から消去できないのも恋心です。そして、大切な人を失う喪失感は、そう簡単に拭えるものではありません。
ですから、今はまた、受験勉強に身を入れるようにしてください。合格して大学生活が始まれば、今より出会いの幅がグンと広がります。今は元カノも新しい彼氏も憎いかもしれませんが、憎しみはいつか思い出になり、次第に無関心という気持ちに変わります。相談者さんは人を深く愛することができる男性ですから、その愛情に向き合ってくれる相性のいい女性が、きっと他にいるはずです。
また何かありましたらいつでも連絡をください。相談者さんが受験に合格して現状を、「そんなこともあったな」と笑いながら振り返る日が来るように、願っています。
※写真と本文は関係ありません
著者プロフィール
内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。2,000人以上の人物取材の経験で磨かれた、鋭い洞察力が武器。著書は『恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80』(講談社)。無料のメール恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い。相談を休止中の場合もあるので詳細はブログまで。恋愛コメンテーターとして『ZIP!』(日本テレビ)、『スッキリ!!』(日本テレビ)、『ばらいろダンディ』(MX-TV)などのテレビやラジオ、雑誌にも多数出演。