連載コラム『あなたの家計簿見せて! "給料減少時代"の家計診断』では、相談者のプロフィールと実際の家計簿をもとに、5人のFPが順番に、相談者の家計に関する悩みについての解決策をアドバイスします。
【相談内容】
付き合って3年になる同い年の彼女がいます。3年以内に彼女と結婚するつもりでいますが、結婚後に彼女の夢があり、それを実現できるかどうか不安です。これからのマネープランをどのように考え、どう貯めていけばいいでしょうか?
【プロからの回答です】
- ハワイでの結婚式、結婚後のマイホーム購入など具体的な希望をお持ちの武田さん。その夢をかなえるためにはどうしたらよいのか、具体的なマネープランについて考えていきましょう。
(※詳細は以下をご覧ください)
ハワイ挙式、どれくらいかかる?
憧れや親孝行ができる……などの理由で、海外で挙式されるカップルは多くいます。海外での挙式に関しての情報は、すでに結婚情報誌やネットなどである程度つかんでいらっしゃるとは思いますが、ハワイで挙式する場合にどれくらい費用がかかるのか確認しておきましょう。
ある調査によると、2012年にハワイでの挙式にかかった費用の平均は、挙式料、現地でのパーティ・会食費用、2人分の航空代金・宿泊代で、総額170.4万円でした。また、列席者数については平均10.1人となっています。
(※海外ウエディング調査2013(ゼクシィ調べ))
海外挙式の場合は新婚旅行も兼ねることになるので、国内で結婚式を挙げる場合と比べて割高ということはありませんが、ご両親の旅費や参加してくれた友人の旅費の一部を負担する場合は、その分も見積もる必要があります。また帰国後に披露パーティを行う場合は、その分費用もかさみます。結婚の日程がもう少し具体的になったら、ご両親やお相手の方と費用をどうするかについてしっかり相談するようにしてください。
結婚でかかるその他の費用は
結婚にかかる費用は、結婚式と新婚旅行代だけではありません。武田さんの現在の住まいに結婚後そのまま住むのであればいいのですが、新しく住まいを借りる場合には、敷金・礼金・家具・引っ越し代などで100万円程度は準備しておく必要があるでしょう。
現在350万円の貯蓄があり、年間110万円ずつ貯蓄が出来ているので、結婚生活を始めるまでの費用は心配なさそうです。ただ、家族が増えると生活費も増えることになります。参考データですが、平成24年の総務省「家計調査」によると、世帯主が25~29歳の2人以上の家庭の2カ月あたりの支出は約24.8万円、30~35歳の家庭では約26.7万円となっています。年齢とともに収入も上がってはいきますが、結婚後も現在と同じ金額を貯蓄にまわすのは厳しくなりそうです。
結婚後のライフイベントと費用を確認しておこう
結婚後2年以内に第1子を出産し、同時に専業主婦になり、その3年後に第2子出産、第2子出産までに一戸建てのマイホームを持ちたいという彼女の具体的な夢をかなえるためにはどうしたらいいでしょうか。
結婚後のライフイベントとそれにかかるお金を知るために、ライフイベント表を作成することをおすすめします。最初は年齢とイベントを入れるだけの簡単なもので構わないので、まずは10年分を作ってみましょう。
以下は、武田さんが29歳で結婚すると仮定した場合のライフプラン表(例)です。
このような表にすることで、ご自身が何歳の時に、どのようなイベントがあり、どれくらいお金がかかるのかをイメージしやすくなると思います。
ライフイベントを見据えて、マネープランを立てる
家計のやりくりで特に大切なことは以下の2つです。
年収の1~2割は貯蓄できるようにする(支出に優先順位をつける)
出産や教育費、マイホームの費用など大きな出費については、早めに準備を始める
お子様が生まれたら、教育費を貯め始めます。基本的には、高校までは家計から出すようにし、大学の費用として一人あたり200~300万円を目標に貯蓄していきます。早めに準備を始めれば、月々の負担を軽くすることが出来ます。児童手当を受け取るようになったら、教育資金として積み立てるようにしましょう。
またマイホームを購入するためには、頭金を準備する必要があります。頭金なしでも住宅を購入することは出来ますが、無理なく返済をしていくためにも頭金として物件価格の2割は用意しておきたいところです。また購入時には税金やローン借入時の諸費用などもかかります。頭金と合わせて物件価格の3割は準備するようにしたいですね。ただ貯めたお金すべてを頭金にまわせるわけではありません。もしもの時の予備費として、200万円程度は手元に残しておくようにしましょう。
お相手の方は出産後には専業主婦をご希望とのことですが、現在会社員として働いていらっしゃるとのことなので、頭金を早く貯めるためにも、子どもが生まれるまではできればお仕事を続けられることをおすすめします。
夫婦で一緒に夢の実現を目指そう
まだご結婚前で、結婚後の生活についてはなかなかイメージしづらいと思いますが、すでに具体的な夢をお持ちなので、少しでも理想に近づけるように早めに対策をとることが大切です。
ただ人生の中でも大きな買い物であるマイホームについては、家族構成が固まり、住みたい場所が決まり、頭金が準備できた時が「買い時」です。最初に決めた購入希望時期に準備が十分できていない場合は、例えば第1子の小学校入学時期に合わせるなど、無理をしないで少し待つことも必要でしょう。
ご結婚されたら、ぜひご夫婦で一緒に夢の実現に向けて歩んで行って下さい。
<著者プロフィール>
(株)プラチナ・コンシェルジュ ファイナンシャルプランナー 白子里美
大学卒業後、大手総合商社に勤務。退職後、FP資格を取得。現在webにてコラムの執筆の他、教育費や生命保険、老後資金などに関するセミナーなども行っている。(株)プラチナ・コンシェルジュ所属