近ごろ話題になっている「家計簿アプリ」は、家計簿をつける手間や時間を減らし、支出の把握や分析が簡単にできる便利なアイテムです。家計簿アプリには、様々な機能やサービスのものがありますので、使い心地や自分の重視する機能が優れているといったポイントを抑え、ベストなものを選びたいところです。さて、家計簿アプリの中には「マネーフォワード」というアプリがありますが、こちらは資産管理を本格的に行いたい人向けと言えます。今回は、マネーフォワードの機能やオススメの使い方について、ご紹介しましょう。
「マネーフォワード」はどんな家計簿アプリ?
家計簿アプリには、手入力がしやすくシンプルなもの、レシート読み取り機能が優れているもの、金融機関との連携が多く資産管理しやすいものなどさまざまなタイプがあります。マネーフォワードは、そのうちの最後のタイプに当てはまり、外部サービスとの連携に力を入れ、「極力手間をかけずに家計簿が付けたい」というニーズに応えた家計簿アプリと言えます。
銀行口座や証券口座、クレジットカードなど金融機関やカードと紐づけすることで、口座残高や利用明細を自動収集できる家計簿アプリは他にもあります。しかし、マネーフォワードは、連携できる金融関連サービスの数が約2600と、群を抜いて多くなっています。
特に、他の家計簿アプリでは物足りなかった多くの証券口座のほか、FX口座やポイントカード、電子マネー、携帯電話、ネットショップ、年金口座などとの連携も可能です。これらを一度登録すれば、情報を自動取得し、アプリで一括管理することができるのです。なお、登録できる外部の連携サービスは、無料版では10件までとなっていますが、無制限で登録したい、全て連携先の最新情報を取得したいという場合は、月額500円(税込)の「プレミアム会員」になる必要があります。
これまで、紙の家計簿をつけるには、利用履歴を見ながら、逐一手動でまとめなければいけませんでした。しかし、マネーフォワードを利用すれば、そうした煩わしさから解放され、その分家計の見直しや分析に時間を割くことができますね。
「マネーフォワード」ならではの独自機能とは
マネーフォワードは、「普段の買い物は、クレジットカードや電子マネーがほとんど」という人にとっては、半自動的に家計簿がつけられる便利なツールとなりそうです。他には、どのような独自機能があるのでしょうか。
たとえば、マネーフォワードには、自分の属性と近い「理想の家計」を診断してくれる機能があります。グラフで理想の家計と自分の家計の比較がわかりやすく表示されるため、お金を使い過ぎている項目はひと目でチェックできるようになっています。特に、一度見直せば節約効果の続く、通信費や保険料といった固定費の削減には、効果を発揮する機能でしょう。
ちなみに、「理想の家計」はプレミアム会員になることで利用できます。他にも、ポイントやマイルの有効期限の通知、カード引き落とし時の残高不足の表示、そして、資産だけでなく、住宅ローンや車のローンなど負債の内訳や推移を示してくれるなど、月額料金を支払えば使える機能やサービスはいくつもあります。
家計改善にどう役立つ?
情報の自動収集や家計分析に優れているマネーフォワード。「理想の家計」を参考にすれば、自分であれこれ調整をしなくても、項目ごとに使っていい金額の目安がひと目でわかります。あとは実行に移すだけで、文字通り「理想の家計」に近づくことができるでしょう。
また、多くの外部サービスと連携できる強みを生かし、さらに支払いを電子決済にまとめれば、「自分はほぼ何もしなくても家計簿が付けられる」状態にすることも可能です。支出の記録に割く時間を省くことで、家計の見直しに集中できるのは嬉しいポイントですね。
そして、毎月の家計管理だけでなく、長期的視野で資産形成を考える時にも、多くの外部サービスと連携できる点は大きな強みとなります。資産だけでなく、負債もあわせて把握できれば、資産を健全に増やしていくことに役立ちます。
「マネーフォワード」が向いている人
マネーフォワードは、本格的に資産管理を行いたい、複数の証券口座で金融商品の運用をしているなど、資産全体を一括して把握したい人に向いているアプリと言えます。また、「多忙な中でも収支の管理を怠りたくない」というビジネスパーソンにも使い勝手の良い家計簿アプリです。「手軽に家計簿アプリを使いたい」「まずは収支を管理したい」というよりは、一歩進んだ機能を求める人や、外部サービスとの連携によって利便性を高めたい人にとっては、マネーフォワードは最適なアプリのひとつではないでしょうか。
マネーフォワードをうまく活用すれば、「いつの間にかお金の流れが記録できている」状態を作り出すこともできます。自動で情報が収集できたら、あとはこまめにアプリを開き、確認するだけです。改善ポイントを見つけ、家計の見直しや資産形成に役立てていきましょう。
筆者プロフィール: 武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。