毎月の支出を確認して、「もっと節約したい」と思ってもどこから手を付けたら良いか悩むことはありませんか。真っ先に改善すべき点がわからず、結局は問題を先送りにしてしまう……という人は少なくないはずです。では、家計を節約したい時、どこから見直しをしていくのが得策なのでしょうか。

無理なく支出を減らすには固定費の見直しから

節約のために、食費など買い物を減らしたり、欲しいものを我慢したりしている人は多いでしょう。確かに、日々のお金の使い方を意識するのは大切なことです。しかし、いきなり変動費から抑えようとすると、ストレスが溜まって長続きしません。そこで、まず固定費に注目してみましょう。住居費、保険料、通信費など毎月一定の金額が支出されている項目から無駄を見つければ、一度見直すだけでもその節約効果はずっと続くからです。

子どもや自分の習い事、車を持っている人はその維持費やローンなど、毎月決まって出ていくものは固定費としてチェックしてみましょう。住居費が収入に対して高すぎないか、保険は余計な保障に入っていないかなど一つひとつ確認していくと、削れるポイントが見つかるかもしれません。固定費の見直しだけで、月数千~数万円の節約ができることもあります。食費など変動費でこれだけの金額を節約する大変さを考えれば、はじめに固定費に注目する意義は大きいと言えます。

我慢せず食費を抑えるには

固定費を見直したら、食費を抑える工夫をしてみましょう。食費は毎日の支出だからこそ、少し意識するだけでも、積み重なれば大きな成果となります。仕事が忙しく外食が多めの人は、まず外食の回数を減らしてみましょう。一気に辞めるのはストレスの元ですので、徐々に減らしていくとうまくいきます。

自炊に自信がない場合は、お惣菜の併用や食材宅配サービスを利用するのがオススメです。食材宅配を使うと、食費だけでなく献立を考える時間や買い物の時間も節約できます。先に「週〇回は利用する」と決めて宅配を頼んでしまえば、「食材を使い切らなければ」という気持ちになり、外食の回数を抑えられるかもしれませんね。

また、買い物の際には「ついで買い」を辞めるだけでも食費は減らせます。もともと買うつもりではなかったものを買い物かごに入れていないでしょうか。コンビニやカフェに立ち寄り、飲み物を買い過ぎている人も要注意です。無理をしなくても、これらを普段から頭に入れて過ごすだけで食費の節約につながります。

水道光熱費の節約方法

次に、こちらも生活には欠かせない水道光熱費の節約について見ていきましょう。水道光熱費の節約というと、「なるべく水を使わない」「電気をこまめに消す」といった小さな努力が必要そうというイメージです。これらを心がけることももちろん大切ですが、あまり神経質になっては息苦しいですし、その割にさほど大きな節約効果は期待できません。そこでまずオススメしたいのは、古い家電の買い替えや電力会社、ガス会社の変更です。 古い家電製品には消費電力が大きいものも多く、省エネ家電に買い替えたほうが、電気代を節約できる場合があります。古いエアコンや冷蔵庫、洗濯機などを買い替えた場合、どのくらい節約になるのか、元は取れるのかを現状と比較して検討してみましょう。

また、これまでは住んでいる地域で決められた電力会社やガス会社としか契約ができませんでしたが(ガスは都市ガスの場合)、「電力自由化」や「ガス自由化」により、現在の電力・ガス会社だけでなく様々な業種の企業と契約ができるようになりました。より安く利用できる会社へ切り替えれば、これまでと同じように電気やガスを使っていても、光熱費を抑えられる可能性があります。

その上で、水や電気、ガスの使い方を見直すと良いでしょう。生活に支障が出たりストレスを感じるほど使わないようにしたりせずとも、お風呂の際はシャワーを出しっぱなしにしない、冷蔵庫の中に食材を詰め過ぎないなどできる範囲の節約を積み重ねていきましょう。エアコンを使う際は扇風機を併用する、食器を洗う際は食器洗い機を使うと手洗いよりも節約できるといったデータもあります。無理をせず、できる工夫から始めてみましょう。

無駄使いが減り自然にお金が貯まる生活習慣とは

家計の様々な節約についてご紹介してきましたが、無駄使いが減り、自然とお金が貯まっていく生活習慣があることをご存知でしょうか。まずは何といっても、家の中をきれいにしておくことです。部屋に物が散乱しているなら、片づけをして不要なものを処分しましょう。物の管理とお金の管理は切っても切れない関係にあるからです。

そして、規則正しい生活を心がけましょう。生活が乱れていると、使わなくていいシーンでお金を使うことが増えてしまいます。例えば、夜更かしのネットサーフィンでつい衝動買い、朝寝坊をして朝食はコンビニで購入、などです。自分の身の回りを整頓して規則正しい生活を送るだけで、無駄使いが減りお金の貯まる環境が整っていきます。

家庭によって節約効果の大きい費目は異なりますが、一般的には、まず固定費を見直すと楽に節約できるケースが多くあります。一度、契約しているプランをまとめて確認してみましょう。そして節約はただ我慢をするのではなく、工夫を重ねることで実現していくことがポイントです。

筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。