寝苦しい夜が続く今日この頃。真夏の暑さを吹き飛ばすべく、3人のお笑い芸人に奇妙な体験について語っていただきました。涼しさとともにほかのなにかがやってこないよう、ご注意ください……
今回の語り手は、ピン芸人「シークエンスはやとも」。生き霊にまつわるコワイ話です。亡くなっている人の霊よりもコワイかも……
『心霊写真……』
僕は霊感があるので、よく芸人仲間からそういった相談をされることが多いのですが、これはつい先日、先輩芸人から相談されたときの話です。
先輩芸人のAさんが、ファンと行くバスツアーに参加していたのですが、その途中でやたらと奇妙な写真が撮れると、僕に連絡してきたんです。
送られてきた写真を見てみると、たしかに全部、Aさんだけ顔が半分なくなっていたり、腕が多く写っていたりしていました。
僕はすぐに生き霊のしわざだと思い、Aさんに「バスツアーの参加者とか近くにいる人の念が影響してるんだと思います。そういう人がいれば気を付けてください」と電話で伝えました。
帰りのバスの中で、Aさんがこの話を参加したファンに話したんだそうです。
「みなさんの中に生き霊を飛ばしてる人がいるって言われたんですよー(笑)」って。
すると、冗談だと思って笑っているファンの人たちの中に、一人だけバスのカーテンにさっと顔を隠した女性がいたんだそうです。
あとで聞くと、バスツアー以外にもAさんだけが変に写っている写真がほかにもあって、そのほぼすべてで、その女性が近くにいたんだとか……。
『はじめまして……』
これは僕の話ですが、よしもとに入ってすぐの頃、全然知らない女性と同棲している夢を毎日見るようになりました。
その夢がすごくリアルで、だんだん日を追うごとにその人と過ごす時間が長くなっていくんです。リアルすぎて、寝てもまったく疲れが取れないくらい……。
よしもとの超若手芸人が出る「ゼロ年目ライブ」というのがあって、若手を発掘したいファンの人たちが来てくれるんです。
ある日そのライブに出演していると、客席に、あの夢に出てきた女性が……。
驚きながらもライブが終わって外に出ると、その女性が友達と一緒に出待ちをしていて、僕に話しかけてきました。
友達のほうが「この子はやともさんのファンなんですよ」と言うので、「どうも、はじめまして」って挨拶すると、その夢に出てきた女性がニヤッと笑って言いました。
「はじめましてじゃないですよね」
こういう、自覚がありながら生き霊を飛ばす人、一番要注意です。
シークエンスはやとも
お笑いピン芸人。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。東京都出身。NSC東京20期生。小学生のときに目撃したとある事件をきっかけに霊が見えるようになった。亡くなった人の霊だけでなく、「生き霊」も見ることができる。怪談ライブやイベントなどにも数多く出演している。