このところ、エアコンが活躍する、暑い日が続いています。さて、エアコンをつけても、あまり涼しくならない、あるいは、冷えるのに時間がかかるようになってきたという場合、真っ先に調べたほうがよいのが、フィルターの汚れです。最近のエアコンでは、スタンダードクラスのモデル以外では、フィルターの自動クリーニング機構の搭載が標準的になってきました。手間のかかるフィルター掃除を自動でやってくれるというのは非常にありがたい機能です。ところが、このフィルター掃除の際には、けっこう大きな音がします。エアコンの電源をオフにした際に自動クリーニングを行うように設定しておくと(標準ではそうなっているものが多い)、例えば、夜、寝る前に、エアコンの電源をオフにすると、とんでもない勢いで自動クリーニングを開始するといったことが起こります。うるさくて眠れないので、自動クリーニングをオフにしているという話もよく聞きます。残念ながら、販売店ではエアコンの室内機のガワだけを展示しているケースが多く、実際の音を確かめることは、あまりできません。また、動作音を確認できる場合でも、営業中の店内と夜間の室内とでは、騒音の基準がだいぶ違う点に注意しなければなりません。ということで、フィルター自動クリーニング機構が搭載されているにもかかわらず、フィルターが汚れて効率が落ちているというエアコンもあるようですが、自動クリーニング機構付きのエアコンなら、汚れに気がついたら(というよりもある程度定期的に)、フィルタークリーニングを行えばよいだけで、その手間もたいしたことはありません。

そういった便利な機能が搭載されていないエアコンを使用している場合には、フィルターのクリーニングは手動で行う必要があります(しかも2週間に1回程度)。フィルターの手入れは、ほこりを掃除機で吸い取るか、あるいは水洗いするというのが標準的な方法です。水洗いが一番効果的なのはわかるのですが、これは相当にめんどうな作業です。さらに、乾くまではエアコンを使用できないという問題もあります。だいたい、こういった作業は日中に行うと思うのですが(乾燥のことも考えると)、すると、暑い日中に、エアコンなしでしばらく過ごさなければならないということになります。掃除機で吸い込む方法は手軽でよいのですが、フィルターの網の目に絡みついたほこりは、なかなか取りにくいというのも事実です。軽い汚れならばなんとかなりますが、フィルターがひどく汚れている場合、完全にはほこりを取りきることは難しいでしょう(そこまでほうっておくのが悪いという話もあるのですが)。

こういうように、ほこりがたまったエアコンのフィルターは、掃除機ではなかなかクリーニングできない

というわけで、手軽にほこりが取れる掃除グッズを、いくつか試してみました。まずは、花王の「クイックルワイパーハンディ」です。弾力性のある棒の先に、ふわふわとしたキャッチャーが付いた掃除グッズで、手軽にほこりが取れる、なかなか便利な製品です。ところが、残念ながら、この製品は、エアコンのフィルターの掃除にはあまり向いていないようです。というのも、エアコンのフィルターには、桟の部分があって、桟の部分は固く、それ以外は、比較的柔らかいフィルターとなっているわけです。このような構造のフィルターをクリックルワイパーハンディで掃除しようとすると、弾力性のある棒の部分が曲がってしまって、桟の回りのほこりが取りきれません。

身の回りのものの掃除には便利な、「クリックルワイパーハンディ」だが、エアコンのフィルター掃除には向いていないようだ

そこで、次に使ってみたのが、クリックルワイパーハンディの旧型製品です。園芸用シャベルのような形をした樹脂製の本体部分に、紙製のシートを取り付けるという製品です。シートの素材は、床用のクイックルワイパーと同じ素材のようで、ほこりを効率よくキャッチします。この旧型のクイックルワイパーハンディで、エアコンのフィルターを掃除してみたところ、桟の回りのほこりも取れるうえ、持ちやすく、なかなか効率よく作業を行うことができました。しかし残念なことに、これは、すでに販売されていない製品です。さすがに、すでに入手できない製品を便利なグッズとして薦めるというのは、どうかと思われます。

旧型の「クイックルワイパーハンディ」は、なかなかよいのだが、もう売っていないという最大の欠点が

要するに、エアコンのフィルター掃除には、ほこりを取る部分が、ある程度固いものに固定されたグッズが使いやすのだろうということで、今度はハンディタイプではない、床掃除用のクイックルワイパーを使用してみました。当然ですが、床掃除用なので、そのままでは、長い柄が邪魔です。柄の部分を外して使用してみることにします。すると、これも、旧型のハンディタイプと同様に、なかなかよい感じでほこりが取れます。さらに、ふき取る面が広いので、効率的に掃除を行えているようです。もともと床用に作られている製品なだけに、こういった凸凹したモノを掃除すると、シートが外れやすいという面はありますが、それは力を入れる方向に注意すれば大丈夫でしょう(横方向に力を入れて動かさない)。また、フィルターのほこりが床などに落ちても、そのまま掃除できるというメリットもあります(それが本来の用途なのですが)。筆者の感覚では、今まで、掃除機で作業していたのに比べると、1/3程度の作業量と、2倍以上のほこりの取れ具合という感じです。また、水洗いとは異なり、これなら、さっと掃除して、すぐに使い始めることができます。これなら、2週間に1回というサイクルを守ることができるかもしれません。

一番普通の、床用のクイックルワイパーが、効率的だった