このところ、LED電球の価格低下がすさまじい勢いで進んでいます。先々週、近所の家電量販店に行った際には、白熱電球40W相当のLED電球は、3,480円程度で販売されていたのですが、今週行ってみると、ついに3,000円を切る価格が付けられていました。さらに、何か買い物をすると、LED電球の10%割引チケットまで渡される始末で、実際のところ、その店では、白熱電球40W相当のLED電球は、2,700円ぐらいで購入できてしまうことになります。

先頃、三菱電機がLED照明の発表会を行行いました。発表会自体は、LED照明事業に対する会社としての取り組みや、おもに施設用のLED照明に付いてのものだったため、当チャンネルでは、ニュースとして取り上げなかったのですが、それらに混ざって、三菱オスラムがLED電球の新製品を発表しています。E26ソケットに取りつけ可能な、白熱電球40W相当の明るさの「LDA5L-H」(電球色)「LDA5D-H」(昼光色)、そしてE17ソケットに取りつけ可能な「LDA4L-H-E17」(電球色)「LDA-4D-H-E17」(昼光色)の4モデルです(7月30日発売予定)。低消費戦力/長寿命に加えて、演色性の高さも特徴としていて、電球色タイプのRa値は80~82という高演色タイプ。また、昼光色でもRa値が70となっています。会場で、三菱オスラムの担当者に伺ったところ、演色性に関しては特にこだわりをもって開発した自信作とのことでした。

さらに驚かされたのが、推定小売価格が、E26/E17のどちらのタイプも2,500円前後だったという点です。E26ソケットに取り付けるタイプに比べて割高感のあるE17ソケットに取り付ける小型電球タイプも、少なくとも7月の段階で2,500円前後というところまでは見えてきていることにになります。三菱オスラムの担当の方は「安くしないと、買ってくれないんですよ」と話されていましたが、これから秋、さらには年末に向けて、LED電球の低価格化は、さらに激しさを増していくということなのでしょう。

三菱オスラムでは、7月から秋口にかけて、LED電球のラインナップを拡充していく予定

さて、パナソニックが4月に発表した、斜め取りつけが可能なLED電球「LDA6L-E17/BH」(電球色相当)「LDA6D-E17/BH」(昼光色相当)が、めでたく25日に発売になりました。最寄り品の入荷が遅い(と筆者は常に感じている)、郊外の量販店でも週末には店頭に並んでいました。先日、パナソニックは、4月に発表したLED電球のうち、一部の製品の発売日を遅らせるという発表をおこなっていますが、遅れるのは普通の配光のモデルのみで、斜め取り付けモデルは予定どおり発売しています。発表時点での推定小売価格は5,000円前後。実際に販売されていた店頭価格は、4,980円でした(前述の10%割引チケットを持っていたので、実際には4,500円程度で購入したのですが)。

パナソニックのLED電球は、ケース部分に放熱フィンを使用していないという特徴を持っています。ケース部分に特殊なアルマイト塗装を施すことで、放熱特性を向上させ、放熱フィンなしを実現しているのですが、これにより小型化が可能になり、「LDA6L-E17/BH」「LDA6D-E17/BH」では、ほぼミニクリプトン球と同じサイズを実現しています。東芝ライテックの、同じE17ソケットに使用するLED電球「ミニクリプトン形3.4W」と比べて見るとこんな感じです(「ミニクリプトン形3.4W」も決して大きいというわけではないのですが、「LDA6D-E17/BH」が小さすぎる)。

左から、ミニクリプトン球、パナソニック「LDA6D-E17/BH」、東芝ライテック「ミニクリプトン形3.4W」

さて、肝心の斜め取りつけの仕組みですが、写真のように、ソケットの根元部分が約270°回転するようになっています。取り付けてから、反時計回りに電球を回転させ、適当なところで止めれば、サイドにソケットがある器具に、問題ない配光で使用できるようになるというわけです。

写真ではわかりにくいが、左側の写真では、ソケットの根元部分のはんだ付けされている部分が上にあり、右の写真では、約270°反時計回りに回転して手前に来ている

左の写真は器具に取り付けたところ。ここから、右の写真のように電球を回転させて使用する

さて、LDA6D-E17/BHは、電球60W相当の明るさです。60形のミニクリプトン球の全光束は810ルーメン。それに対して、LDA6D-E17/BHの全光束は480ルーメンしかありません。しかし、全方向に光を発する電球に対して、LED電球は、ケース方向には光を発しません。発光部の方向で、等距離で比較した場合に、だいたい同じ明るさになるというわけです。さて、写真の器具には、もともと60形(57W)のミニクリプトン球が取り付けられていました。器具には、全方向に光を発する電球に合わせて、裏側の光も有効活用できるように、反射版が使用されています。60W相当といっても、電球の一方向の光と同等ということなので、反射版込みの器具に取り付けられた電球と比較した場合ではどうなのか気になったのですが、電球と昼光色のLED電球という違いもあるのでしょうが、筆者には、LED電球のほうが明るく感じられました(実際に測定を行わないと正確なところはわかりません)。また、斜め取り付け対応ではないLED電球をつけた場合と異なり、ソケットがあるほうが暗くなるということもありません。なかなかよい感じです。さすがに4,980円はどうかと思いますが、もう少し価格がこなれてきたら、さらにいくつか買ってこようかという感じです。

60形の電球を使用した場合よりも、明るく感じられ、暗くなる方向がないのがよい感じだ