家電店では、新生活フェアが真っ盛りです。読者の皆さんの中にも、4月から、新しいい環境で生活を始めるという方がいるのではないでしょうか。このコラムでも新生活向け家電製品について、触れてみたいと思います。新生活に必要な家電製品といってもいろいろとあるのですが、ここでは、冷蔵庫、洗濯機、テレビについて考えてみたいと思います。

パナソニック パーソナル冷蔵庫 NR-B142W

まず、今回はパーソナル向けの小型冷蔵庫についてです。冷蔵庫を選ぶ際には、当然のことですが、サイズ、庫内容量、消費電力、動作音、庫内の使い易さ、そして価格などが重要なポイントとなるでしょう。これは、ファミリー向けの大型モデルだけでなく、パーソナルサイズの冷蔵庫でも同様です。このなかで、パーソナル向けの冷蔵庫で、とくに重要なポイントになるのが、動作音です。大手家電メーカーの現行モデルでは、140Lクラスの小型モデルでも動作音が23dBといった低騒音モデルが主流になってきています(少し前までは40dB程度というものも少なくはなかったのですが)。動作音の大きなモデルは、ワンルームで使うのには、けっこう厳しいものがあります。また、冷蔵庫のレイアウトについても、ファミリー向けの冷蔵庫よりも若干気を使う必要があります。120~200L程度の冷蔵庫では2ドアの構成を取ることが一般的ですが、冷蔵室と冷凍室のうち、よく使う方が上にあるモデルを選んだほうが、その人にとっての使い勝手が上がります。食材の出し入れのしやすさ、視認性などの面もそうですが、小型冷蔵庫では、コンプレッサーなどの配置による、部屋の形の制限が、大きく影響します。コンプレッサーは、冷蔵庫の下部の奥に設置されるのが一般的です。そのため、冷蔵庫の一番下は、コンプレッサーのスペースの分、部屋が手前に押し出された形になります。下に配置された引き出しタイプの冷凍室は、底に行くに従って奥行きが狭くなる、極端にいうとくさび形のような形状になります。サイズが大きい冷蔵庫ではそれほど問題にはならないのですが、パーソナル向けの冷蔵庫では、冷凍室への効率的な収納には、ある程度の工夫が必要になります。しかし、このタイプの冷蔵庫では、冷蔵室はフラットで、収納しやすい形状になります。逆に冷蔵室が下に配置されているタイプでは、大きなものを収納したくなる、一番下の段が奥行きが狭いということになります。国内大手メーカーのパーソナル向き冷蔵庫では、パナソニックとシャープが、冷凍室を下に配置したタイプ、三洋電機と三菱電機が冷凍室を上に配置した製品を販売しています(現在、日立のパーソナル向け2ドア冷蔵庫は庫内容量230Lからで、東芝は2ドア冷蔵庫のラインナップを持っていません)。この2つのタイプは、どちらが機能面で優れているということではなく、性格の違う冷蔵庫ということになるのでしょう。冷蔵室と冷凍室、どちらの機能を優先するかで、選択してください。

これらの項目は、カタログやメーカーの製品情報サイトなどにも掲載されていますし 店頭でも掲示されています。パーソナル向けサイズといっても、冷蔵庫はめったに壊れない耐久消費財です。一度購入したら、かなり長い期間付き合うことになる製品なので、勢いだけで購入して後悔することがないように慎重に選びたいものです。

これ以外にも、庫内容量200L未満のパーソナル向けサイズの冷蔵庫を選ぶ際にポイントになる点があります。それが、耐熱トップのサイズについてです。パーソナル向けの冷蔵庫では、冷蔵庫の上に、レンジ(同じくパーソナル向けの庫内容量20L以下程度の)を置くために、天面が耐熱仕様になっているものがあります。それほど広くはないのが一般的な、単身者向けの部屋のキッチンのスペースを有効に使うための工夫です。この天面の耐熱プレートの部分は、四角いお盆のような形状になっています。上に乗せたレンジから水物がこぼれた場合のことを考えての形状でしょう(それとレンジの安定性のため)。で、このくぼんだ部分のサイズには、特に規格があるわけでありません。どうやら、そのメーカーのパーソナル向けのレンジを置いた時に、レンジの足の部分がちょうど収まるサイズになっているようです。レンジの足の幅にも、やはり規格などは定められていません。いずれにせよ、この部分のサイズは、メーカーごとに異なるというのが実情のようです。

冷蔵庫とレンジのメーカーが異なる場合でも、広い幅のレンジの足を採用しているメーカーの冷蔵庫に、狭い幅の足を採用したレンジの組み合わせならば、それほど問題は起こりません。しかし、逆の場合、レンジの足は、耐熱トップのお盆状になった部分にかからないか、ひどい場合には、アールの部分に乗るというケースも出てきます。そうなると、レンジを水平には置けません(置けないことは無いのですが、使っているとすぐに傾いてしまう)。精神衛生上もよくないし、おそらくレンジにとってもよくないことでしょう。

しかし、メーカーの製品情報サイトなどでは、残念ながら、冷蔵庫本体のサイズ、設置に必要なサイズは掲載されていても、耐熱トップのサイズまでは掲載されていません。ただし、メーカーによっては、レンジのページの方には、足の幅が記載されているケースもあります。そういった場合には、そのサイズに収まる足を装備したレンジを選んでおけば、同メーカーでない組み合わせでもOKでしょう。まったく情報が得られない場合は、買いに行くときに、メジャーを忘れないことです。なお、量販店の形態によっては、コンシェルジュと呼ばれる、その分野に精通した販売員がコーナーを担当しているケースがあります。心配ならば、そういった販売員のいる信頼できる販売店での購入をおすすめします。