筆者は、現在、ブリタのポット型浄水器「リクエリ」を使用しています。ポット型浄水器といえばブリタというぐらいに、ブリタの存在はメジャーです。皆さんの中にも使っている方は多いのではないでしょうか。
筆者が所有しているブリタのリクエリは、活性炭、イオン交換樹脂フィルターを使用して水の浄化を行うタイプですが、メッシュ、イオン交換樹脂、活性炭、メッシュの4段ろ過フィルター「マクストラ」を使用するモデルもあります。また、一般的な国産の浄水器(蛇口直結型など)では、活性炭+中空糸フィルターという組み合わせのカートリッジが多いようです。ポット型の浄水器では、三菱レイヨンがリリースしている「02クリンスイピッチャー」シリーズ(中空糸フィルターを作っているのが三菱レイヨンなので)がそれにあたります。02クリンスイピッチャーは、活性炭、セラミックフィルター、中空糸フィルターの組み合わせで、さまざまな有害物質を除去するという仕組みです。02クリンスイピッチャーシリーズには、現在、「CSP4」というタイプと、それよりも大容量の「CP005」というタイプが存在しています。
さて、ピッチャー型浄水器が本格的に活躍する季節を前に、筆者は多段フィルターのポット型浄水器を購入することにしました。ブリタか三菱レイヨンかどちらにしようかと迷うところですが、現在ブリタを所有しているので今回は三菱レイヨンの02クリンスイピッチャーを購入することにしました。早速、02クリンスイピッチャーのCP005を購入すべく量販店に出かけたのですが、あいにくCP005の在庫がなかったため、CSP4を購入しました。CPS4には、「鉛・トリハロメタン除去強化カートリッジ」が使用されています。一方のCP005では、「家庭用品品質表示法」に定められた除去対象13物質を除去するカートリッジが標準添付されているモデルも存在します。ただ、両者のカートリッジは共通なので、13物質を除去するカートリッジが使いたければ、カートリッジだけ購入すればよいだけです。
というわけで、現在筆者の家には、ブリタのリクエリと02クリンスイの2台のピッチャー型浄水器がそろいました。活性炭、イオン交換樹脂のブリタのリクエリと、活性炭+セラミックフィルター+中空糸フィルターの02クリンスイとでは、でき上がる浄水に違いがあるのか、ちょっと興味があります。もちろん、02クリンスイと比較するならブリタのマクストラが適切ですが、とはいえ厳密な成分検査などはできませんので、浄化された水の見た目や味に違いが感じられるかどうかという程度に比べてみました。また、ブリタのマクストラフィルター使用モデルも近々、試してみようと思っています。
2つの浄水器は、構造的にはかなり似通っています。上の部分に水を入れると、フィルターを通過した浄水が下にたまるという仕組みです。最初に使い始める得の手順は、リクエリの場合、本体を洗って、それからカートリッジを水に漬けて中の空気を追い出し、カートリッジを本体にセットして、2回水を通す、基本的にはそれだけです。
一方の02クリンスイでは、本体を洗う、というところは同じですが、その後、カートリッッジを洗い、リザーバータンク(水を入れる部分)に取り付け、本体に1/3だけ水を入れてからリザーバータンクを本体に取り付け、リザーバータンクの上まで水を入れて20分間放置。次に、すべての水を捨てて、リザーバータンクに水を入れてろ過、さらに、水をろ過して捨てるという工程をあと2回繰り返します。
さて、準備ができたところで、両方の浄水器で、水をろ過してみます。
ろ過にかかった時間は、リクエリが水道水を注いでから2分16秒で、02クリンスイは9分10秒かかっています。02クリンスイのほうが、ろ過にかかる時間は大幅に長いのですが、それは、それだけ多くのフィルターを通しているからということなのでしょう。
さて、ろ過した水を、並べてみましたが、見た目での違いはありません。さらに、それぞれを飲んでみましたが、やはり筆者には違いがわかりません。もともとの水道水が、それほど悪くない場所だということもあるのでしょうが、水の専門家ではない筆者には、残念ながらその違いははっきりしませんでした。
よく、水質の違いが一番はっきりわかるのは、ウィスキーの水割りを作ったとき、などといわれいます(と、筆者は思っています)が、それでは?というわけで、両方の水で、同じ手順で水割りを作ってみました。
ところが、筆者の出した結論としては、「両方とも美味しい」でした。もっと癖の強いウィスキーで試せば、よいのかもしれませんが、残念ながら筆者の手元にあるのは、イエローストーンといったような、飲みやすいものばかりなのです。何種類かで試せば違いも出てくるかもしれません。しかしそうすると、今度は、味を判断する能力のほうが怪しくなってきます。
ただ、両者の性能に、全く違いがないかというと、そういううわけではありませんでした。次の写真は、それぞれの浄水器に、冷やした紅茶を注いでろ過したものです。
活性炭、イオン交換樹脂フィルターのリクエリに比べて、多段フィルターの02クリンスイのほうが、より多くろ過されていることがわかります。このあたりは、近々、ブリタの多段フィルター、マクストラモデルでも試してみようと思います。