前回、Ni-MH(ニッケル水素)充電池用の充電器で"一番良いやつ"こと「BQ-CC11」を購入してみた。今回はスタンダードな充電器と比較して、充電に必要な電力にどの程度差があるのかを検証しようと考えていたのだが、よく考えてみると、これは非常に難しいと思われる。

BQ-CC11が省エネになるのは、残容量に差があるNi-MH充電池を組み合わせて充電しても、それぞれのNi-MH充電池に適した充電を行い、フル充電されたNi-MH充電池への充電はストップするためだ。スタンダードな充電器では、このようなことはできない。残容量に差がないNi-MH充電池を充電したのならば、BQ-CC11とスタンダードな充電器の消費電力に明確な差は出ないだろう。

では、"一番良いやつ"のメリットは? というところだが、実際に使用して、BQ-CC11が、スタンダードな充電器と違うと感じる点は2つ。1つは、クイック診断機能で、もう1つはスマートチャージ機能だ。

何本ものNi-MH充電池を持っている人にはありがたいクイック診断機能

Ni-MH充電池は、必要なときに買い足していくと、どんどん数が増えてくる。もちろん寿命があるので、劣化してしまうものもあるのだが、どれが劣化しているのかは見た目ではわからない。充電したNi-MH充電池を、何らかの機器で使おうとした際に動作しないことから、劣化が判明することになる。

どんどん増えてくるNi-MH充電池。この中に何本か劣化したバッテリーがあるようだが、それを探すのはかなり面倒だ

ところが、単3形、あるいは単4形のバッテリーを1本だけ使用する機器は限られてくる。2本、あるいは4本同時に使用するという場合が多い。このような機器しかない場合、どれが劣化したNi-MH充電池なのかを特定することは難しい。

BQ-CC11のクイック診断機能は、Ni-MH充電池を入れてコンセントに差し込むと、約2秒間で自動診断が行うというものだ。バッテリー装着部には、1本ごとに独立した充電インジケーターが設けられているのだが、セットされたNi-MH充電池が劣化して使用できなくなっている場合、点滅して知らせてくれる。多くのNi-MH充電池を持っている場合、この機能は非常にありがたい。チェックしてみたところ、手持ちのNi-MH充電池のうち5本が劣化して使用できなくなっていることが判明した。これが1発でわかるというのは非常に助かる。

写真では上から2番目のインジケーターが消えているように見えるが、実際には点滅している。つまりこのバッテリーは劣化しているということになる

クイック診断の結果、右にどけた5本が劣化していた

充電する"セット"にこだわらないで済むスマートチャージ機能

さて、もうひとつの違いであるスマートチャージ機能だが、これは、クイック診断機能でチェックした内容に基づいて、一本一本のNi-MH充電池に適した充電を行う機能だ。例えば、下の写真のように、容量1,950mAhのNi-MH充電池と容量1,000mAhのNi-MH充電池、そして単3形と単4形とを同時に充電といったことも、普通に行えてしまう。

このような機能がない場合は容量ごと、サイズごとに分けて充電を行う必要があるが、スマートチャージ機能があれば、そういったことを一切考えずに、ただ充電すればOKなのだ。とにかくラク。

容量やサイズを考えずに、まとめて充電できる。もちろん、残容量の差も気にする必要はない

やはり"一番良いやつ"には、それなりの価値がある

何度か使用してみて、筆者はBQ-CC11の高性能さに相当に満足している。やはり、"一番良いやつ"には、それなりの価値があるということなのだろう。もちろん、すべての家電製品の"一番良いやつ"を試してみたわけではないのだが、少なくとも、Ni-MHの充電器に関しては、"一番良いやつ"である「BQ-CC11」を選んでおけば問題ないと、筆者は断言できる。