家電製品では、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、複数のグレードが存在している場合が多い。もちろん人にもよるだろうが、複数のグレードがある場合、一番上のグレードのモデルはなかなか選びにくいものだ。

今回は、Ni-MH(ニッケル水素)充電池の充電器の話だ。Ni-MHバッテリーは、何度も繰り返して充放電を行うことができるが、それでも、一定の寿命というものが存在する消耗品だ。

一方、充電器のほうには寿命が明示されていないが、やはり長期間使用していると、使用できなくなる。充電池がまだ十分使用できるのに、充電器のほうが壊れてしまったという経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。筆者の場合、ここ数年の間に4台の充電器が動作しなくなっている。こちらも消耗品ということなのだろう。

そもそもスタンダードな充電器とは

下の写真は、パナソニックの充電器「BQ-CC24」だ。BQ-CC24は、単3形、または単4形のNi-MHバッテリーを2本まで同時にチャージできる充電器だ。単体では販売されておらず、「K-KJ24LLB20」など、エントリーユーザー向けのセット用充電器として販売されている。

シンプルな充電器「BQ-CC24」

機能は非常にシンプルだ。急速充電には非対応で、通常充電のみ。LEDのインジケーターを装備しており、充電中はオレンジ色に点灯、充電が完了すると消灯する。

ただし、インジケーターの表示は、電池の容量を見ているのではなく、充電している時間をチェックしているだけだ。しかも、その時間は容量の少ない「充電式EVOLTAe」または「eneloop lite」を基準にしている。通常の「充電式EVOLTA」または「eneloop」をフル充電するには、容量分の時間、さらに充電を続ける必要がある(単3形の場合)。

充電インジケーターは装備しているのだが……

BQ-CC24は、パナソニックの充電器の中でも最もシンプルなものなので、これらの制限は仕方のないところだろう。ちなみに、別のメーカーの製品では、インジケーターすら装備していないものも存在している。

一番良いやつはどうスゴイのか

では、充電器の"一番良いやつ"はどうなのだろうか。同社のWebサイトを見てみると、「BQ-CC11」というモデルがそれに当たるようだ。早速近所の量販店で購入してきた。購入価格は2,984円(税込み)だが、購入特典として単4形の充電式EVOLTAが2本付いてくるので、なんとなく得をした感じだ。

充電器の"一番良いやつ"「BQ-CC11」

BQ-CC11は、4本までのNi-MHバッテリーをチャージできる充電器だ。急速充電に対応しており、2本までの充電の場合、約2時間で完了する。また、電池の電圧や温度を測定して過充電(充電のし過ぎ)を抑える「スマートチャージ機能」、電池の状態を診断してそれに応じた充電を行う「電池クイック診断機能」を装備。省電力機構が働いていることを知らせる「エコナビ」機能も装備している。

写真は、「電池クイック診断機能」が働いているところ。挿入しているNi-MHバッテリーのうちの1本が劣化していることを知らせている

また、4本の充電池それぞれの充電状態を表示する「独立電源表示機能」、充電が完了したら電力消費を抑える「待機電力ゼロモード」も搭載している。

要するに、電気の無駄を抑えて、高速にチャージできる充電器ということなのだろう。では、スタンダードな充電器BQ-CC24と一番ハイグレードな充電器BQ-CC11では、充電に必要な電力にどの程度の差があるのだろうか。次回は、この点について検証してみたい。

次回に続く