ワットモニター、あるいはワットメーターやワットチェッカーと呼ばれる製品は、家電製品の消費電力を測定するのに使用される機器だ。測定したい電化製品とコンセントの間に接続することで、その電化製品の消費電力や、電気料金、CO2排出量なども測定することができる。
ワットモニターはこのコラムでも何度か紹介しているが、筆者の使用しているモデルは、計測技術研究所の「2000MS1」という製品だ。この製品の場合、測定したデータはモニター画面で確認するだけで、データの書き出しなどは行うことができない。
さて、このところ、USB接続タイプのワットモニターがいくつかリリースされている。サンワサプライの「TAP-TST10」もそのひとつだ。PCにソフトウエアをインストールすることで、測定したデータをPCで利用することができるようになる。なお、サンワサプライのショッピングサイトでは2014年8月末現在、TAP-TST10は8,210円(税込み)で販売されている。
USB接続のワットモニター「TAP-TST10」
下の写真の左側にあるのが新しく導入したTAP-TST10で、右に置かれているのが以前から使用していた2000MS1だ。
TAP-TST10の使用方法は、普通のワットモニターと変わらない。測定したい電化製品とコンセントの間に入れておくだけだ。USB接続タイプではあるが、常にPCに接続しておく必要はない。
TAP-TST10には液晶パネルが装備されており、スタンドアローンで測定結果を確認することもできる。TAP-TST10が測定できるデータは、消費電力・積算電力量・積算料金・積算時間・CO2排出量の5項目だ。なお、電気料金の換算値は、工場出荷時に1kWhあたり21円に設定されているが、この数値は後から変更することが可能だ。
測定したデータはTAP-TST10内のメモリに保持されている。付属の「TAP-TST10 Watt Monitor USB Program」をPCにインストールし、TAP-TST10をUSBで接続すると、TAP-TST10がそれまで保持していた測定データをPCで読み込むことができる。なお、TAP-TST10内には約1カ月分のデータを保持でき、それが過ぎると古いものから上書きされていく。
下の画像が「TAP-TST10 Watt Monitor USB Program」の画面だ。ウインドウの上部に、表示される最大値を入力する部分がある。上から「Day」「Watt」「kWh」となっており、この値を適切に指定することで、表示の条件を調整することが可能だ。
測定したデータは「CSV」ボタンを押すことで、CSV形式で保存することができる。記録されるデータは「データの番号」「日付と時間」「消費電力」「積算消費電力量」の4項目だ。
簡易タイプだが省エネ施策には便利
測定は10分ごとに行われ、このパラメーターを変更することはできないようだ。簡易的な測定機器なので、そのあたりは仕方のないところだろう。そのため、あまり短時間しか使用しない電化製品や、短時間で消費電力が上下するような電化製品の測定には向いていないといえる。とはいえ、一般家庭で家電製品の消費電力を継続的に測定するには十分だといえるだろう。
このコラムでは今後、このTAP-TST10を使用して、冷蔵庫やエアコン、テレビ、照明器具など、消費電力が気になる製品の効率的な使い方について模索していきたいと思う。