この記事では、ワンルーム、または1K程度の部屋に初めて一人暮らしをする人を対象に、最低限必要な新生活家電製品について取り上げている。第2回目は、洗濯機がテーマだ。

前回取り上げた冷蔵庫と同様、洗濯機も新生活ではあったほうが便利な機器だ。コインランドリーを利用する手もあるのだが、やはり洗濯のたびに外に出るのは面倒だし、中長期的に見れば、コスト的にも購入してしまったほうが安くつく。

一人暮らしには6kg以下の全自動洗濯機がオススメ

新生活用として販売されている洗濯機は、6kg以下の全自動洗濯機が中心となっている。価格は3~4万円台といったところだ。このクラスの洗濯機が、洗濯・脱水といった基本機能以外に装備している主な機能は、簡易乾燥機能、Ag+イオンなどによる抗菌機能といったところになる。

簡易乾燥機能は、ヒーターを使用せず送風により洗濯物の乾燥を行う機能。製品にもよるが、1kg~3kg程度の洗濯物の乾燥に使用できるほか、部屋干しの前に実行することで、干す時間を短縮する効果がある。

パナソニックが販売している、洗濯・脱水容量6kgの全自動洗濯機「NA-FS50H6」

全自動洗濯機としては最もベーシックなクラスであり、機種ごとの機能面での差はそれほど大きいものではないが、唯一チェックしておいたほうがよいのが、「スピードコース向け洗剤」への対応だ。

スピードコースとスピード洗剤向けコースをチェック

このところ「アリエール スピードプラス」「ウルトラアタックNeo」「トップNANOX」などの短時間の洗濯と1回のすすぎで高い洗浄力をもつ「スピードコース向け洗剤」が普及しつつある。

多くの洗濯機では、従来より「スピードコース」が搭載されているが、スピードコース向け洗剤専用のコースを搭載したモデルも増えてきている。これらは「時短コース」あるいは「すすぎ1回コース」などの名称で呼ばれている。

スピードコースとスピードコース向け洗剤用コースに明確な違いはないのだが、スピードコースは、もともと汚れの少ない少量の洗濯物を短時間で洗うコースだ。そのため、メーカーや製品によっては、標準コースと洗濯・脱水容量が異なる場合がある。

下の表は、主要メーカーが販売している洗濯・脱水容量が6kg以下の全自動洗濯機について、コース別の洗濯・乾燥容量の違いをまとめたものだ。標準コース、スピードコース、スピードコース向け洗剤用コースそれぞれについて、対応容量を記してある。

メーカーおよび型番 パナソニック
「NA-FS50H6」
日立
「NW-6SY」
東芝
「AW-60DM」
シャープ
「ES-GE55N」
標準コースでの
洗濯・脱水容量
5kg 6kg 6kg 5.5kg
スピードコースでの
洗濯・脱水容量
5kg 3kg 6kg 3kg
スピードコース向け
洗剤用コースでの
洗濯・脱水容量
6kg 5.5kg

日立の「NW-6SY」とシャープの「ES-GE55N」は、独立したスピードコース向け洗剤用コースを備えており、パナソニックの「NA-FS50H6」と東芝の「AW-60DM」は、スピードコースとスピードコース向け洗剤用コースが兼用になっている。表にはないが、なかには本来の意味での、少量の洗濯物を短時間で洗濯するスピードコースのみを装備している洗濯機もある。このような洗濯機でスピードコース向け洗剤を使用する場合、マニュアルで洗濯時間やすすぎ回数などを設定する必要がある。

東芝ホームアプライアンスが販売している「AW-60DM」