掃除に洗濯にと幅広く使える「重曹」。この連載では、重曹を使って住まいを快適にするテクニックを紹介する。今回は「重曹クリームクレンザー」を使って、キッチンの魚焼きグリルの掃除を行ってみた(→「重曹クリームクレンザー」の作り方はこちら)。

重曹クリームクレンザーできれいになった魚焼きグリルの受け皿

悪臭もする魚焼きグリルに重曹は有効か!?

じか火で素材を焼ける魚焼きグリルは、焼き魚だけではなく、肉料理やグラタンなどさまざまな料理にも使える便利な設備だ。

しかし、魚を焼いたあとにすぐに洗わず放置してしまうと、魚臭さと焦げ臭さが合わさったひどいニオイが発生することも……。気づいた時すぐに洗えばいいのに、ギトギトの油汚れとニオイに立ち向かう勇気がなかなか出ず、先延ばしにしてしまった経験を持つ人も少なくないはずだ。

何を隠そう、筆者もその1人。筆者宅の魚焼きグリルは水を張る片面焼きタイプなのだが、長期間放置した結果、グリルの受け皿の水を腐らせてしまったり、カビを生やしたりしてしまった経験もある。実は現在も、1週間前に魚を焼いてから放置したままの魚焼きグリルがあるのだ。

恐る恐るグリルの扉を開けると……。

1週間前、サンマ5尾を焼いてそのまま放置した状態(画像クリックで元画像表示)

グリルの皿にはカビこそ生えていないものの、張っていた水は混濁しており、生臭さや油が酸化したニオイなど、かなりの悪臭を漂わせている。網には焦げがこびりつき、皿の縁は油汚れでベトベトだ。

グリルの縁や窓のガラス部分も汚れでべったり(画像クリックで元画像表示)

見なかったふりしてグリルの扉を閉めてしまいたい衝動を抑えつつ、皿に残っていた水を捨てる。シンクに広がった水からは、もわっとした悪臭が立ち上る。ニオイに敏感な方は、マスクを使用することをオススメしたい。

今回は汚れの状態から判断して、「重曹クリームクレンザー」を使ってみることにした。このクレンザーは、重曹に液体せっけんと酢を混ぜたものだ(作り方はこちら)。グリルの皿に、クリームクレンザーを満遍なく塗り、そのまま30分ほど放置。窓部分にも同様にクリームクレンザーを塗っておいた。

重曹クリームクレンザーを受け皿全面に塗る

窓にもクリームクレンザーを塗って放置

焼き網の部分は凹凸が多く、うまくクリームクレンザーが塗れなかったため、重曹水をスプレーした上に粉末の重曹をふりかけてみた。

ビニール袋などの上に焼き網を置き、その上で作業をすると汚れにくい

ギトギト油汚れがスルッときれいに

放置すること30分。まずグリルの皿を、40℃くらいのお湯でスポンジでこすりながら洗い流してみると……。四隅の汚れはしっかりとこする必要はあったが、それ以外の部分は、軽くなでるだけで汚れが落ちた。すすいだ後のグリルの皿は、新品のように水をはじいている。あんなに臭かったニオイも全く残っていない!

受け皿の汚れがすっきり!

窓の部分はかなり汚れが張り付いていたので、スポンジの裏面(タワシ面)を使ってみた。汚れがやわらかくなっているので、数回こするだけで汚れが落ちていく。ガラス面の汚れが取れ、透明度がアップ! これなら調理中の魚の様子もよくわかりそうだ。

窓の部分もピカピカに

焼き網の部分はさらに汚れがひどかったので、金属タワシを使用。凹凸部分が多いため歯ブラシも使ってみたのだが、汚れが手ごわくなかなか落とすことができなかった。金属タワシのほか、割りばしにボロ布を巻きつけた手作りの掃除用品は、先の方までしっかりと力が届くのでオススメだ。こちらも、しっかり汚れが落ちた。

手作りの掃除用品で細部まできれいに

5年放置したグリル庫内も掃除

魚焼きグリルを掃除していると、グリル庫内の汚れも相当たまっていることに気づいた。これまで受け皿の汚れは認識していたが、中も掃除できるとは思っていなかったのだ。5年間全く掃除をしてこなかった庫内は、これまで蓄積された汚れで一面茶色に染まっている。

5年間掃除をしなかった魚焼きグリルの庫内(画像クリックで元画像表示)

特に下の部分には、タール状になった真っ黒の油汚れがべったりと付いている。厚紙で汚れをかき取ると、まるでべっ甲あめのように粘度が高かった。

グリル庫内に重曹クリームクレンザーを塗り、放置すること30分。金属タワシでこすってみると、手前と奥側部分の汚れは取れたが、火力が強い中心部分は、焦げもひどくなかなか取ることができなかった。

手前の部分は、金属タワシで強めにこすり汚れを落とす

グリルの構造上、側面の中心部分は腕の力も入れづらく、今回は断念。下部のタール状の汚れはクリームクレンザーとのなじみがよく、比較的汚れ落ちが良かったように感じた。

グリル奥の部分と下部の汚れは比較的落ちやすかった

使ったあとは、重曹をふりかけて汚れを落としやすく

使用後の放置が大惨事を招く魚焼きグリル。汚れの蓄積を防ぐためには、使い終わってまだグリルの水が熱いうちに 受け皿や焼き網の部分に重曹をふりかけておくのがオススメだ。食事を終えて食器洗いをするころには、重曹が汚れとなじんで落としやすくなっているはず。

気温や湿度も高くなるこれからの時期、キッチンはいつも清潔にしておきたいもの。ぜひ魚焼きグリルの掃除にも重曹を取り入れてみてほしい。