水に重曹を溶かしただけの「重曹水」。汚れ落としに抜群の効果があるという重曹だが、果たしてその効果は本当なのだろうか。料理にしか重曹を使ったことがない筆者が、掃除に重曹を取り入れてみた。使用するのは、前回作った「重曹スプレー」だ(→作り方はこちら)。
「重曹スプレー」のお手並み拝見
水100mlに対し小さじ1杯の重曹を混ぜ、スプレー容器に入れただけの「重曹スプレー」。さまざまな汚れ落としに使えるそうだが、まずはお手並み拝見。たまたま目に付いたインターフォンの受話器の汚れ落としに使ってみた。
使い古しのタオルを雑巾にし、重曹水をスプレーして汚れをふき取ってみる。力を入れなくても、ホコリや手垢などの汚れがスルっと落ちた。しかし、このくらいの汚れが落ちるのは想定内。まだまだ驚くほどではないが、ちょっとうれしくなる。
次は、年末の大掃除以来ふき掃除をしていない換気扇のフードに挑戦。拭く範囲が広いので、フードに直接スプレーしてみる。スプレーから重曹水の飛沫(ひまつ)が飛んでくるが、顔面に散っても危なくない。これは重曹ならではの利点だろう。とはいえ、目に入るとやっぱり危険なので、保護具をつけるなど十分に注意を。
スプレーしてすぐ雑巾でふき取ってみてびっくり! 見るからにしつこそうな換気扇の油汚れが、力を入れなくてもスルッと落ちた。ぬぐった雑巾には茶色い油汚れと、ホコリと見られる黒い汚れがべったり付着している。今回は、1度では汚れが落ちきっていない感があったので、2度拭きしてみた。仕上げに水拭きをすると、レンジフードから「キュッキュッ」と音が。汚れが落ちきった達成感に思わず顔がほころぶ。
キッチンのドアも重曹スプレーでさっぱり
こうなってくると、さまざまな場所の掃除に使ってみたくなる。次はこれまでほとんど拭いたことのない、キッチンの扉にスプレーしてみた。スプレーした箇所をよく見ると、透明だった水滴の色がみるみる茶色に変化してきてびっくり。
タオルでふき取ると、レンジフードの時よりもはるかに濃い茶色い汚れが付いてきた。扉の色はブラウンなので、茶色い汚れが目立たなかったと思われる。しかし、こんなに汚れた扉で毎日出入りしていたかと思うと……ちょっとショックだ。
まだまだ汚れ落としは続く。次は冷蔵庫である。扉のパッキンを軽くふいたところ、これまた汚れがたっぷり付いてきた。重曹は食用にも用いられるものであるため、冷蔵庫の掃除にも安心して使えるのが嬉しい。
試し始めると止まらない!?
試す前は「重曹で本当に汚れが落ちるの?」と半信半疑だったが、市販の住宅用洗剤に匹敵するほど汚れが落ちるので驚いた。今回、レンジフードでは仕上げに水拭きを行ったのだが、基本的に重曹スプレーは、仕上げの水拭きは不要だそうだ。
また、キッチンの汚れは調理中などに気がつきがち。食べ物を扱っているときに洗剤を使うのは抵抗があるが、重曹スプレーならば気になったときに、すぐに手にとって使えそうだ。
重曹スプレーの欠点をあえて挙げるとすると、汚れ落ちのよさに驚き、あれもこれも試してみたいと掃除が止まらなくなってしまうこと。時間がたっぷりある休日の午前中に、ゆっくりと試すことをおすすめしたい。