奥羽本線・男鹿線秋田~男鹿間にて、ダイヤ改正が行われた3月4日から営業運転を開始した交流蓄電池電車EV-E801系「ACCUM(アキュム)」。1編成2両が導入され、車両ごとにカラーが異なる。赤い車両(下り男鹿行の先頭車)が「EV-E801-1」、青い車両(上り秋田行の先頭車)が「EV-E800-1」となった。

交流蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」。上り秋田行の先頭車(EV-E800-1)は青

下り男鹿行の先頭車(EV-E801-1)は赤。デビュー記念のヘッドマークも掲出された

JR東日本が導入したEV-E801系「ACCUM」は、JR九州の交流蓄電池電車「DENCHA」(日立製作所が製造)をベースに、耐寒耐雪対応などのカスタマイズを行った車両。車体の形状に「DENCHA」との共通点が見られる一方、前照灯・尾灯の位置や排障器(スカート)の形状が異なり、寒冷地での走行に対応した装備となっている。

最大の特徴ともいえる車両ごとに異なるボディカラーは、男鹿の「赤なまはげ」「青なまはげ」が由来だという。車体側面のドア横にも、なまはげをイメージしたデザインが施された。営業運転開始を記念したヘッドマークも掲出され、赤い車両のヘッドマークに「青なまはげ」、青い車両のヘッドマークに「赤なまはげ」が登場。ともに男鹿半島を代表する景勝地「ゴジラ岩」の夕景と組み合わせたデザインとなっている。車内はロングシートで、電気の流れを表示する「エネルギーフローモニター」も設置された。

男鹿線(追分~男鹿間)は非電化区間のため、これまで普通列車はディーゼルカーを使用しての運転だった。EV-E801系「ACCUM」は車両に大容量の蓄電池を搭載することで、電車ながら非電化区間の走行も可能に。電化区間である奥羽本線秋田~追分間は通常の電車と同じく架線からの電力で走り、男鹿線内では蓄電池の電力で走る。男鹿駅に設置された専用の充電設備にて、走行に必要な充電も行われる。

キハ40形2両編成の普通列車。男鹿線では引き続きディーゼルカーも活躍中

EV-E801系「ACCUM」を使用する普通列車は下り2本・上り2本ともに日中時間帯の運転。車両の定期検査などでディーゼルカーに変更される場合があるとのこと。その他の秋田~男鹿間の普通列車は引き続き、男鹿線オリジナルカラーのキハ40・48形で運転される。