7月25日、E353系量産先行車が姿を現し、鉄道ファンの注目を集めた。特急「スーパーあずさ」に使用されるE351系の置換えを目的に製作され、新時代のダイナミズムを表現しつつ、「あずさのDNA」も引き継いだデザインの新型車両だという。

E351系の特急「スーパーあずさ」。先頭車は非貫通タイプ・貫通タイプの2種類

E351系は1993年12月から投入され、JR東日本所属を示す「E」はこの形式から使用されるようになった。JR東日本の車両として初めて制御付き自然振り子式構造を採用し、カーブの多い中央本線で最高速度130km/h運転を実現。特急「スーパーあずさ」は現在、約2時間半かけて新宿~松本間を走行している。

しかしデビューから20年以上を経て老朽化が進み、置換えとしてE353系量産先行車が製作されることに。新型車両では振り子式構造は採用されず、「空気ばね式車体傾斜方式」により、E351系と同等の走行性能を実現したという。E353系の量産が決まれば、置換え対象であるE351系はあっという間に姿を消してしまうかもしれない。