突然だがマイナビニュースさんとの付き合いも長い。

今調べたら初登場時が5年も前だったので若干引いた。

この連載も掲載場所を4回ぐらい変えられ、名前も途中で変わるという、時効待ちの連続殺人犯のような動きをしながら途切れることなく続いて来たし、実はマイナビニュースさんには別カテゴリでもう1本コラム連載をさせていただいている。

ちなみにそっちは担当が4回ぐらい変わった。

もしかして「新人は便所掃除から」というノリやいじめで私の担当をさせられているのだろうか。

ともかく不安定なフリーライターにとって、継続して仕事をくれる会社というのはありがたいものであり、そういう意味ではマイナビニュースさんは私にとって神と言っても良い存在である。

しかし「請求書を紙で出させる」ところだけが玉に瑕であった。

例えば、毛筆と水彩の年賀状みたいなものなのだよ

紙でどう出させるのかというともちろん「郵送」である。

しかも、請求書と一緒に明細や納品書まで出させるものだから、常に封筒がパンパンで必ず92円(現94円)かかるところも減点だ。

マイナビさんともあろうお方が、という感じだったが、完璧すぎると逆にモテないというし「完全無欠のイケメン生徒会長の財布がマジックテープ」みたいなギャップ萌えの演出なのかな? と思いつつ諾々と、5年近く請求書データをプリントし印鑑を押して郵送するという昔ながらの製法を続けてきた。

だが、数か月前ついに「PDFでの提出」を許してくれるようになったのだ。

もはやマイナビさんは「Fate/Grand Order」が「どんなに効率が悪かろうが宝具演出をスキップさせない」というポリシーを持っているように、誰がなんと言おうが紙の請求書を貫く、それぐらい異常な紙へのこだわりを見せずして「HENTAI」という世界共通語を生み出した日本を代表する企業が名乗れるかという気概でやっているものだと思っていた。

よって、最初「PDFで良い」と言われた時はわが目を疑い「PDFで送った後、原本を郵送してくれ」というさらに面倒な形になったのかと思ったぐらいだ。

ともかく、マイナビの請求書がデータで良くなったことは、控えめに言って大助かりである。郵便を出しにいく時間を入れればオーバーではなく1時間ぐらい時間が浮いた。

つまりツイッターをやる時間が1時間増えただけだが、有能な人がこのような仕事で1時間使わなければいけないのは無駄でしかなく、会社にとっても不利益である。

しかし、この度、コロナウイルスのおかげで、と言っては語弊があるが、急速にテレワークが広がり、業務も強制的にデジタル化、簡略化されることになった。

実際、マイナビだけではなく、コロナが広まってから「請求書はPDFで送ってください」というところが増えてとても助かっている。

それと同時に、日本の「ファックス文化」も今回ついに終焉を迎えるのでは、と言われている。

  • ファックス? HAHAHA! ジョークだろ? えっ? マジ?

    バック・トゥ・ザ・フューチャーでは2015年になってもファックスが現役だったけれど、あの世界ではAT&Tの公衆電話も現役だしなぁ

危ないから「Please FAX」とか言っちゃだめよ

ファックスというはすでに他の先進国では骨董品として博物館に展示されるレベルの遺物であり、日本のオフィスに必ずファックスがあり、それらが普段使いされる様は宗教上の理由なのかというくらい不思議な光景なのだそうだ。

その内、欧米で「ファックス」などと言ったら、「突然下ネタを言い出した」と思われる日がくるかもしれない。

しかし、何故か日本ではまだファックスが現役な所が多く、今回も政府が医療機関へコロナウイルスの発生報告をさせるのに、内容を手書きしたものをファックスさせるという方式をとったため、「この忙しい時にこんなダルいことをさせるな」と医療現場から不満が相次いでいた。

批判を受け、途中からオンライン報告に切り替えたのだが、緊急時にまで何やってんだ的なこの件は海外でも取り上げられ、ニューヨークタイムズでは「日本ついにデジタル化!」と明らかに揶揄られていた。

何故、日本でここまでファックスが使われ続けているのか。それは、日本が「HENTAI」国家であると同時に、「超高齢化社会」であることが原因であると指摘されている。

確かに、私も二年前まで会社で事務員をしていたが、偉い人はもちろん老であり、そういう人はパソコンが使えないどころか机にパソコンすらなかった。

しかし、書類をチェックするのも、社内で決定権を持っているのもそういう人たちである。

よってメールで書類を送りますと言われたら、まず本人ではない誰かのパソコンに送ってもらい、それを出力して老の机に届けるということをしなければならない。ファックスの方がまだ出力する手間がなくて良い。

つまり、「なぜファックスなんて面倒なものを使っているのか?」ではなく、「ファックスが一番早い」から使っていたのである。

オフィスにいる人間が、新しい機器を使えない、使おうとしない人間ばかりだったら古い機器を残すしかない、ということだ。

他にも、「日本は詫び寂びの国だから無機質なメールではなく、ビジネスにも出来るだけ人間味を残そうとしているのではないか」というほのぼのした擁護もあったが、パソコンで作った書類を印刷してFAXしているだけなので特に人間味はない気がする。

デジタルはトモダチ! 怖くない! かんたんだよ!

紙にも良いところはあるが、仕事で紙にこだわるのは合理的ではなく地球にも厳しいことは確かである。

それが、コロナの影響で半ば強制的にデジタル化したのは、数少ない良かったことなのではないかと思う。

そう思っていたら、他社から「これに印鑑を押して郵送で送り返してくれ」という書類が郵便で送られてきて卒倒した。しかも契約書とかではない。

紙の請求書は合理的でないだけでなく、海外どころか地方の木っ端ライターにまで舐められる要因になるので、早めにデジタル化をお勧めする。