ホストの色恋営業が法律で禁止になるらしい。

これを書いているのが1月1日であることを含めてなかなか厳しい話である。

昨年「頂き女子」や「おじ」という言葉をさらに広め、「この裏金議員が不起訴ならりりちゃんも不起訴」「りりちゃんが懲役13年ならこいつは懲役568年ぐらいが妥当」など刑法の基準ともなった、頂き女子りりちゃんも動機はホストに貢ぐためだったようだし、そのホストも逮捕されたようだ。

そもそも「恋愛」とは? もはや未知の概念ではないか?

私はホストクラブに行ったことがない。

ホストに興味がない、そもそも次元を3つも使っているようなSDGs配慮のない男に興味がない、というわけではない。

まず近隣にホストクラブというものが存在しないのだ。

私が知らないだけで存在するのかもしれないと、一応調べてみると確かに1件はあったのだが、2件目に表示されたのが「女優」というカラオケがうまいチーママが名物の店であり、早くもホストクラブではない予感を感じている。

負けじと「Y県のホスト」というまとめページも見てみたのだが、ポロシャツ姿の御老人が表示され「これがナンバー1か渋いな」と思ったが、その横に妻と息子夫婦と思しき人が立っていたので、おそらく「ホストファミリー」の紹介ページなのだろう、その略し方はいただけない。

ないわけではないが、数は少なく選択肢はほぼないに等しい。我が地元に「ホストにはまりづらい」という長所が増えたことを喜ばしく思う。

そんな環境なためホストクラブには行ったことはないが、ホストを題材にした漫画「夜王」は愛読していたし、当然聖さん推しだ。

作中では、女性を癒す存在としてプライドをもったホストの姿が描かれているが、ホストに唆され性風俗で働くことになった客など、闇の部分も書かれている。

すでに20年も前の作品なのだが、「ホストにハマって風俗入り」という流れを辿る客は今でも後を絶たず、むしろ状況は悪化しているようだ。

本人がそれを望んでやっているなら自己責任ではないかという意見も多いだろうが、「売り上げがこれだけいかないと会えなくなる」など色恋に訴えた嘘や「親や職場にばらす」など、脅しで大金を要求したり性風俗で働くよう促したり強要、脅迫するのは問題があるとし、風営法を改正して色恋営業を禁止し、風営法違反の罰則も大幅強化の見通しだという。

ちなみに今の風営法の罰金最高額が200万円であり、こちらからすると高額に感じるが、現状ではこれが少額すぎて何の抑止にもなってないらしいので、それだけホストクラブの売上はすごいということだ。

2次元が言っている、「お前が課金してくれないとサ終かも」と

しかしどこまでが「色恋営業」なのか。

「俺今度ナンバーワンになったらお前と結婚するんだ」など、あらゆる意味で結婚が実現しそうにないことを言って、金を引っ張り、性風俗勤務に誘導したり脅すような文章や音声が証拠として残っていなければ詐欺や強要ではなく色恋営業と見なされるだろう。

  • 昔から、縁は異なもの味なものなどと言いますが、まさに恋は盲目と言うわけです

    昔から、縁は異なもの味なものなどと言いますが、まさに恋は盲目と言うわけです

だが、相手には全くその気がないのに勝手に好きになる、というのは普通の恋愛でもよくあることだ。

たまにストーカーやセクハラをした人が「笑顔であいさつしてくれたから向こうもこちらに気があると思った」と言い訳をして呆れられているが、あれは半分笑えない。

確かに、目が合っただけで「こちらに気がある」と勘違いできるほどの高みにはなかなか到達できないだろう。

しかし私のように完全共学の高校3年間で記憶している男子と会話が2回のみ、むしろ2回と数えているのがキモい、恋愛以前にコロナ前から異性がロックダウン、緊急事態宣言解除予定なしなタイプにとっては、「普通に話しかけられただけで好きになる」は十分あり得るし、何だったら消しゴムを拾ってもらっただけでも好きになる。

ハマる素養は十分にあるので、例え我が街の「女優」がホストクラブだったとしても足を踏み入れない方がいいのだ。

行ったことがないので想像になるが、おそらくホストクラブというのは「教室内カースト最底辺女子体験ができる」というコンセプトクラブでないなら、イケメン寄りの男に普通以上に話をしてもらえる場だろう。

つまり、ホストがどれだけヤフーニューストップに載っているような話しかしてこなくても、客によっては好きになってしまうし、それを「色恋営業された」と訴え出てくるケースも予想できる。

もし色恋営業が「客がガチ恋して金を使ったらそれはもう色恋営業」という基準だったら、ホストは会話禁止どころか客と1.5メートル以上離れて目を合わすことも禁止となり、ホストクラブは一瞬にして「教室にいたあの頃の俺たち」の集まりになってしって実に健全である。

その空間は現実で6年ぐらい経験しているのでもういい、むしろそんな現実を忘れさせてくれるのがホストクラブなはずなのだが、もはや暴対法と同じで、とにかく昔から問題が多かったホスト業界の気勢を削ぎたいがための法改正なのかもしれない。

ただホストに大金を使う理由が単純に色恋だけなのかは不明である。もちろん恋愛感情はあるかもしれないが、自分の担当を買い支える快感や、他の客への対抗心など色恋だけでは収まらない理由もありそうだ。

また私のように、自己肯定感が低い割に自分を守ることにだけは長けた人間は、「どうせホストは金目当てで私なんかに優しくしてくれている」という、あまりにも当たり前すぎる事実を受け入れられずにホストクラブへ行こうという気にすらなれないのだが、逆に「何の理由もなく優しい男より、金という明確な対価を払っている男の優しさの方が安心する」というタイプもいるそうで、ホストにはまる女の心理は色恋だけでは片付けられないものがある。

2次元の推しでも、グッズなど金をつぎ込もうと思えばいくらでもつぎ込めるが、「お前が課金してくれないとサ終かも」など、個別で営業をかけてきたり、性風俗をあっせんしてきたりはしないなど、3次元に比べ安全性に優れている。

ちなみにこの「安全」の中には、こっちが推しをストーカーしたり、刺したりできないという相手の安全も含まれている。