少し前に、パンストの破れやすさに関する炎上が起こったが、現在私のXのおすすめ欄では、おそらくパンストを履いたことがなくこれからも履く予定がないであろう男がその件に口を出して総攻撃を受けている最中だ。
チンポジ論争に突然女が「何度直しても左に行く奴は何をやってもダメ」と言い出すように、関係ない話題に関係ない奴がしゃしゃり出て「関係ないだろ」と怒られている怪現象がXでは頻繁に起きている。
単純に関係ない奴に口を出される苛立ちを与えたくてやっているのかもしれないが、「パンストを履くタイプの女たち罵倒されまくる」という、本来ならしかるべき店にそれなりの料金を支払わなければ体験できないことをタダで受けようとしている可能性もある。
イラつかせられた上に無料プレイに巻き込まれているとしたら損でしかない。やはりSNS上でのあからさまな煽りは無視するに限る。
このように、連日ケンカが起こり、そこに関係ない人間が次々と参戦するスマブラ会場になっている我がXのおすすめ欄は治安が悪すぎると思っていたが、逆にこれこそが平和の証のようにも思えて来た。
X上の諍いは大半が突き詰めるとどうでもいい、そして直接自分には関係ない話ばかりだ。
どうでもいいことに自分の時間や感情を費やせるのは余裕の証である。今まさに自分の家が燃えている中で、避難より自分が一生履かないパンストの話題に「じゃあ履くなよww」と引用リプを飛ばすことを優先できる奴はなかなかいない。
いたとしたら、そいつは見ず知らずの他人のために己の時間どころか命さえかけられる究極の利他主義者と言ってもいいだろう。
つまり、どうでもいいことで大の大人が揉めれば揉めるているほど「日本人もまだ捨てたもんじゃない」ということである。
いい年してミニスカで商談に来るとおじさんはニヤける
そして先日も、日本の平和と日本人の心の余裕を世界に知らしめるような、かなりどうでもいい論争が起こったようだ。
とあるYouTubeチャンネルで女性作家が「40近くなってパーカーを着ているおじさんはおかしい」と発言し、それにおじさんたちが怒ったそうだ。
確認はしていないが、「パーカーは言うほど楽じゃない私はスエット一択」「それよりメーカーは紐の片方が完全に穴に入ってにっちもさっちもいかなくならないパーカーを作れ」と今回は関係ないのに口を出して怒られたおばさんもいたのかもしれない。
年齢を理由に服装に文句を言うのはエイジズムであり、さらにおじさんに限定するのはおじさん差別だと怒られたわけだが、「いい年したおばさんがミニスカートを履いたり貝殻を水着にするな」など、服装による年齢差別は今まで女が散々受けていたことでもある。
その差別をなくすのではなく、男も女も差別するという、ある意味平等なフルメタル社会に突入したと言える。
しかし何故この女性作家が、このような一部の人間の逆鱗に触れ、ウェカピポの妹の夫状態になってしまうとわかりきった発言をしてしまったのかというと、当人曰く「あの発言は一部だけが切り取られており、本来は商談などにもパーカーで来てしまうような、TPOをわきまえない港区の意識高い系おじさんなどに対して向けた言葉だ」と説明している。
しかし、ひろゆきやホリエモンという、まさに商談にパーカーで来そうなおじさんたちもこの発言に怒っている。
実は私も前澤友作の顔ファンかつ、友作ファンになったきっかけがパーカー姿の友作を見て「世界一パーカーが似合う」と思ったからだったので「友作の悪口はやめろ」と関係ないのにキレるおばさんになりかけてしまったのだが、当の友作はこの発言を面白がっているとわかったため拳を納めたし、ますます友作のことが好きになった。
また当人は「パーカーを着ているおじさんが悪い、と言ったわけではなく『おかしい』と言っただけだ」と説明しており、明らかに普通のおじさんではない、ホリエモンやひろゆきが反応したことで、パーカーおじさんおかしい説に信憑性が出てきたとも言っている。
しかし「休日のおじさんがパーカーを着ていても別にいいし、そもそもおじさんの服装に興味がない」とも発言しており、自分に関係ないことや興味がないことにわざわざ口を出すと怒られる上に面倒なことになるということを改めて示すこととなった。
だがパーカーのことにここまで怒れるのは平和の証であり、本人も「実家がパーカー工場なのか?」と訝しんでいるが、誹謗中傷はもちろん、殺害予告など、逆にパーカーに親を殺されたかのような、平和じゃないことを言い出す者もあらわれているという。
自分に関係ない、どうでもいいことで怒ったり笑ったりできるのは平和の証だが、殺害予告による脅迫罪で警察がきたら、その平和は一変するだろう。
これからも、どうでもいいことで一喜一憂できるよう、自分に関係ないネットの諍いには首を突っ込みすぎない、もしくは関係ないことに深入りしすぎて刑事告訴まで行く人を遠くから見物するなど、さらに下品なポジションで楽しむぐらいがちょうどいいのだ。