私が小学生のころは学校で「シラミ」の検査があった、もちろん引っかかった。
いつのGHQ統治下の話をしているのかと思うかもしれないが、平成になってからの話である。
だが、シラミの原因が不潔というのは誤った認識だ。
そう言いたいが、当時風呂に対するイヤイヤ期がピークだったと記憶しているので、断言できないのが厳しいが、不潔だからシラミが発生するというわけではなく、シラミは「輸入」が多く、清潔にしていても風呂やプール、濃厚接触などで感染してしまうのである。
ちなみに学校で検査するのは「アタマジラミ」であり、私の時代は感染していた場合「例の白い粉」で何とかしていたのだが、全身に噴射ではなく頭のみに撒く感じだ。
別媒体の担当は、若いころに濃厚が過ぎる接触が原因で「ケジラミ」に感染したそうである。
病院に行くのを躊躇った担当は「子どものシラミ駆除のため」と偽り、薬局でシラミ用シャンプーを買い求めたが、薬局の親父は完全に「心得た」感じで、明らかに股間に対する使い方をレクチャーしてくれたという。
都会の人こそ、よ~く気を付けて
このように、シラミは誰でも感染するし、そこには様々な理由とストーリーがあるので、シラミを持ってしまった人がいても笑ってはいけないし、いじめるなどもってのほかだ。明日薬局の親父に「したり」という顔をされているのは自分かもしれないのだ。
それに現在、とあるシラミが猛威を振るう可能性があるとして、世界的に警鐘がならされている。
それが「トコジラミ」だ。
トコジラミは吸血性のシラミであり、刺されると夜も眠れぬほどの痒みを発症する恐れがあるそうだ。
韓国ではパンデミック級の被害が出ているようで、日本でも流行の可能性があると注意喚起が行われている。
去年我が集落が武闘派猿に襲われ66人が負傷した事件があったように、虫や獣などの大自然的被害は田舎で起こるイメージがあるかもしれないが、トコジラミへの注意を呼び掛けているのは東京や大阪などの都会であり、すでに都心のホテルでトコジラミの被害にあったという報告もある。
何故かというと、コロナ規制後の海外人流急増がトコジラミ流行の原因の一つと言われているからだ。
以前、某美術館の害虫対策について取材をしたことがあるが、人間と同伴入場してくる虫がいるため、完全に虫の侵入を防ごうと思ったら「人間を入れない」という、美術館の常識を覆す改革が必要なため、実質無理、だそうだ。
コロナも人口が多い場所ほど感染者が多かったように、人の動きによって広がるトコジラミも人が多く出入りが激しい場所ほど被害が拡大しやすいのである。
よって、我が村のように人が出ていくばかりで入って来ることが少ない場所は却って被害を受けにくいのだ。
火星でトコジラミと人類の闘争がはじまるとか?
しかし、トコジラミは南京虫とも言われ、昔からいた害虫である、すでに駆除法も確立されているだろう、と思うかもしれない。
だが、2000年以上目立った進化もなく、スマホ依存によるストレートネック化などむしろ退化しだす人類と違い、他の生物は優秀なので、短期間で環境に合わせた進化を成し遂げてしまうのである。
トコジラミもかつては殺虫剤で駆除できていたが、毒耐性を獲得し、家庭用殺虫剤が効かない「スーパートコジラミ」が誕生しているそうだ。
ポケモソのような楽し気な話になってきたが、このポケモソの攻撃対象は人間であり、効果は「眠れないほどの痒み」である。
また、トコジラミは人間だけではなく、海外からの資材と一緒に入って来ることもあるそうだ。
例え、よそ者は村堺で始末するし、出て行こうする者は龍神の生贄にする、という人の出入りが全くない因習村であろうとも、通販などで海外から荷物を取り寄せたらその限りではないということだ。
よって、荷物は玄関で中身だけ取り出し、段ボール類はビニールに入れてすぐ処理することが推奨されている。
もし侵入されてしまった場合には自分で何とかするより駆除業者に依頼した方が良いそうだ。
赤黒い「血糞」を見つけたら、それはトコジラミ生息のサインなので早めに対処した方がいいらしい。
ちなみに「血糞」の名の通り、血を吸うため糞も血の色をしているようだ。自分のものかもしれない血入りの糞が家に散乱しているというのは一種のホラーだが、トコジラミからしたら、コーンが原型で出て来た、みたいな感覚なのかもしれない。
でも本当に怖いのは人類だったという嫌な「定番」
また、悪人は流行に敏感なため、トコジラミが本格的に流行ったらトコジラミ駆除「詐欺」業者が発生するとも言われており、すでに海外では被害が出ているようだ。
害虫駆除詐欺と言えば、シロアリ駆除だが、そういえば我が家も「この近くの家はシロアリに柱をやられ修繕に300万かかった」という話を聞かされ、シロアリを防ぐ工事を16万で行ったが、今思うとこれが詐欺だったら完全に騙されていたということだ。
自分は騙されないと思うかもしれないが、実際は何の疑問も持たず騙されており、騙されたことにすら気づいていないケースも多いということだ。
ただ、我が家のシロアリ対策工事に関しては、10年点検の時にハウスメーカーが勧めてきたものなので、少なくとも偽業者ではないと思う。
ただ、ハウスメーカーになりすまし、10年点検をやるフリまでしていたとしたらもう見破りようがない。
詐欺も狡猾になっており、素人には判断が難しく、対処法があるとしたら「その場で決めないこと」だろう。
あやしい人間が来たら「今わかる人間はいないし自分に何を言っても無駄」という3歳児戦法を取るため、いつまでも女児の心を忘れないようにしたい。