東京都が婚姻率低下、つまりは少子化対策として「マッチングアプリ」をはじめるらしい。

ナイスアイディアとは言い難いが、お上が行う少子化対策や子育て支援と言えばJリーグの子連れ客優先など、瞬時に鈴木が「違うそうじゃない」と雅之する的外れな物も少なくない。

婚姻率低下にマッチングアプリという方向性自体は間違ってないし、イーロンマスクが「Xを本格的な出会い系にする」と発言したらしいことに比べれば「カワイイ」としか言いようがない。

それに結婚を望んでいるのにできていない人間が「出会いがない」と言っているのも事実だろう。

独居房にいても獄中結婚する奴が存在するので、「出会いがない」は「時間がない」に次ぐ意志弱の言い訳かもしれないが、何もしなくても同世代の人間と数十人単位で出会える学校というボーナスステージが終われば、出会う機会が激減するのも事実だ。

職場などで出会える見込みがなく、社交の場に繰り出す時間もないのであれば、もはや出会いはネットに見出すしかない。

それにつけても、ネットは広大だわ

ネットは世界中のあらゆる人間と繋がれるのだから、出会いの場としては最適である。

しかし、あらゆる人間の中には当然悪人も含まれており、それと繋がってしまう恐れもある。

もちろん現実世界でも悪人と出会ってしまうことはあるが、1クラス30人の中に猟奇殺人鬼が混じっている確率はかなり低い。

だがネットの世界には膨大な人間が存在するため、逆にこの中に1人も猟奇殺人鬼いない方が不自然である。

さらにネットの匿名性から、現実世界より悪事を企てている奴の含有率が高いと思った方がいいだろう。

よって未だにネットを使った出会いに恐怖を感じている人は少なくない。

X上で名前も顔も知らないが性癖だけは知っている仲間とやりとりするだけなら良いが、「2人きりで会う」となれば抵抗を感じる人も多いだろう。

特に女性、またはゴツめのチワワに負けるレベルの男性は常に身の危険を考慮しなければいけないため、いくら「マッチングアプリを使えば出会える」と言われても二の足を踏んでしまっているのではないだろうか。

知ってました?「独身証明書」は役所で出してくれます

  • テレビも無え、ラジオも無え、でも東京には出会いが無え、だから東京都が婚活アプリ

    なにもクリスマスの当日にこんな豆知識を披露しなくても

都が運営しようとしているマッチングシステム「TOKYOふたりSTORY」は、多くの人間が心配している「安全性」をかなり固める方針のようだ。

「TOKYOふたりSTORY」という名前の方が気になって、もはや安全性のことなどどうでも良くなっている人もいるだろうが、リカがカンチをFXに誘う話はひとまず置いておこう。

どのように安全性に考慮するか、というと、登録時の「身元確認」を徹底するそうだ。

まず登録できるのは、都内在住、在勤、在学の結婚を希望する18歳以上の独身者である。

TOKYOと銘打っているだけあり、何かしら東京を拠点にしている者のみが対象で、残念ながらBEPPUふたりSTORYなどを展開するのは難しいようだ。

さらに登録には様々な証明書が必要である。

まず、パスポートや運転免許所、マイナンバーカードなどの顔写真つき身分証明書を提示しなければならない。

この時点で詰んだという無頼派もいるかもしれないが、これはまだ序の口だ。

次に必要なのが「独身証明書」だ。このような証明書が存在すると始めて知ったが、本籍のある市区町村で取得できるらしい。

婚活アプリに登録しようとしている時点で独身に決まっているだろう、と思うかもしれないが、無料のマッチングアプリには意外と独身と偽った既婚者が闖入していることがあるらしい。

そのような異物は絶対に混入させない、という強い意志が感じられる。

だが、それよりも大いなる意志を感じるのが「年収を確認できる書類」の提出である。

年収で人を選ぶなという向きもあるが、結婚生活を維持できない収入のカップルを成立させてしまったら、その二人を支援するために税金が使われることとなり、もはや何が目的だったのかわからなくなってしまう。

誰が何と言おうと生活を共にする相手を探すなら、年収や職業などの情報は必要である。

しかし、マッチングアプリには年収や職業を偽る奴も存在する。

年収4桁万円のコンサルタント業と偽って女を食い散らかそうという邪悪な奴もいるが、中にはありのままのレリゴー収入を書くと、メッセージの返信が一切来ないため、出来心で120万ほど盛ってしまった、という切実な者もいる。

そんなカッとなって盛った案件が後でバレると、盛った方も盛られた方も不幸なので事前に防ぐに越したことはない。

さらに、オンラインを用いた「面談」も行われるため、ネットで拾った別人の顔写真のプロフィールに使うことは不可能である。

面談に替え玉を立てるという方法もあるかもしれないが、そんなことをすればマッチング相手と会う時も替え玉を行かせることとなり、もはや自分の婚活ではなくなってしまう。

いつもの事故には気を付けてくれよな

このように他のマッチングアプリに比べて身元確認がかなり徹底されているので、既婚者やヤリモクたちは、わざわざこのアプリを利用しようとは思わないだろう。

また、これだけ煩雑な手続きも辞さないということは、相当な婚活意欲があるガチ勢が集まるということであり、さらに年収証明を見られても一向にかまわんレベルの人間が揃うということだ。

意外と成婚率は高そうなので、都内で結婚を希望する人は利用してみても良いかもしれない。

ただ、心配なのは、これらの集めに集めた個人情報を都が流出させないか、ということだ。

出会いの安全性も大事だが、まずはセキュリティを万全にしてからやってほしい。