近年、日本から世界に輸出された言葉と言えば、すでに「SUSHI」や「GEISHA」ではなく「HIKIKOMORI」と「HENTAI」である。
日本は気候的に農業に向かないわけではないが「面積が狭い」という如何ともしがたいハンデがあり、食料自給率はかなり低い。
さらに人口も減少傾向なのだが、そんなビハインドを物ともせず「ひきこもりの育成に適した環境」のみで他国の追随を許さぬHIKIKOMORI原産国トップになったのはすごいことである。
私もそんな日本が世界に誇る民芸品の一つになれて喜ばしい限りである。
海外での「HENTAI」は文字通り「変態」という意味ではなく、二次元キャラクターを用いたアダルトコンテンツのことを指すらしい。
我々は息をするように二次元キャラクターに卑猥なことをさせてきたため、それが海外にない発想だったことにまず驚きである。
最近では海外でもその文化が根付きつつあるようだが、現在でも日本人が海外ドン引きなものを作るたびに「さすがHENTAIの国だ」と畏怖されている。
そして日本は「紙フェチ」そして「FAX教」としても有名である。
「FAX」に関して、国が医療機関にコロナに関する報告書をFAXで提出させようとした際は諸外国に嘲笑されたが、東京オリンピックの選手への応援メッセージをFAXで募集したときには「oh… Exotic Japan…」と各国が天然のHIROMI GOになってしまったようなので、もはやこれは日本の文化と言っても良いだろう。
また各国が様々な物を電子化する中、日本は未だに紙にこだわり続けている傾向がある。これは単に「遅れている」という話ではなく、本なども電子の方が便利なのは百も承知で「それでも紙でほしい」という者が未だに多いのだ。
本を紙で作成し、それをわざわざ現地に赴いて購入する「コミケ」も、やっていること自体は時代遅れかもしれないが、それに文句をつけるのは歌舞伎に対し「全部CGでやればいいのに」というぐらい筋違いなのだ。
コード決済大手のPayPay、後出しで「他社クレカ禁止」は横暴か
ただ、文化としての「紙」が残るのは良いが、実務面でいつまでも紙にこだわっていては不便であり、さらに諸外国に後れをとってしまうため、電子化を進めざるを得ない分野も多い。
その筆頭が「金」であり、数年前に国が「キャッシュレス・ポイント還元事業」を行い、早急に日本のキャッシュレス化を進めた。
そこで起こったのが、キャッシュレスサービス各社の熾烈な客の取り合いである。
特に、スマホに表示された二次元バーコードを読ませ支払いを行う「〇〇ペイ」サービスの争いは激しく、「もういい、お前らが払った分全部返す!なんなら払った以上にやる」というようなヤケクソキャンペーンが開催され続けていた。
その結果、覇権を取ったのは「PayPay」のようである。
ちなみに私は「楽天ペイ」を普段使いし、LINEスタンプの報酬を受け取る時に使用した「LINE Pay」もたまに使っている。
知らないうちにプレステよりセガサターンを使っている勢になってしまっていたようだ。
しかしそんなPayPayが急に「改悪」されたとして話題になった。
PayPayにはクレジットカードからチャージする機能があるが、今後は自社カードであるPayPayカードのみからチャージ可能とし、他カードは使用不可にすると発表があった。
また、携帯電話料金と合算して支払える「まとめて支払い」も、月二回目から2.5%の手数料を取るそうである。 。 他カードを使う者には重税を課すとかいうレベルではなく「他カード締め出し」という強硬策に、他カードクレカ使用勢は、おいしいカレーを食べた後に毒ガスを散布される『狂四郎2030』の子供のように困っている。
これはPayPayが「すでに盤石」と見て、今までユーザー確保のために使ったキャンペーン投資を回収にかかりだした、という見方が強い。
実際、コンビニやチェーン店なら大体のpayが使用可能だが、個人店になると「モバイル決済は一番利用者が多いPayPayのみ」なところも多いため、今更ほかのpayに変えるのはユーザーも店側も厳しいようである。
このPayPayの「強気の改悪」という、最初は国民の味方だと言って指示を集めていた者の地位が盤石になった途端、独裁者に早着替えする様に不満を持ったユーザーを取り込むためなのか、楽天ペイは「1,000%還元」という、オタクが言いそうなでかい単位の還元キャンペーンを開始している。
ただ、実際のオタクは1,000などという中途半端な単位は意外と使わない。最低でも「3億%還元」ぐらいは言う。
しかし、何事も最初が肝心であり、サービスを鞍替えさせるというのはなかなか大変なことである。
「推しがCMをやっていたからこのサービスを選びましたが、このたび推しが無事未成年淫行で捕まったため卒業いたします」級の事件がない限り、使い慣れたサービスから新しいサービスに移るというのは、よほどの意識高氏でなければ面倒と感じるものである。
中には「手数料」を出費として認識できず、むしろ「サービス変更などという面倒を回避できるなら手数料を払ってもいい勢」も一定数いるため、それらの層を取り込むのは至難の業である。 つまり「最初に囲い込む」のが一番手っ取り早く、どれだけ赤字でも最初に巨弾キャンペーンで囲い込んだpaypayは正しかったのかもしれない。
ちなみに、楽天ペイをメインに使っていて不便はないのか、というと実はない。何故なら私はコンビニとイオソでしか買い物をしないからだ。ちなみにイオソはイオソカードのクレカ払いである。よって、今回の件も全く影響はない。
しかし、一番影響がないのは「現金払い勢」だろう。よほど尖った店でない限り、「現金非対応」はやっていないはずだ。
サービスを使えば、サービス側の改変に振り回される。対して現金は「日本が消滅した」レベルのことが起こらない限り、どこでも使える。
紙は不便であるが、いざと言う時一番便利だったりもする。
ちなみに紙の本も「あの一番ドスケベなシーンどこだっけ!?」という有事の際は、高速でペラペラめくって発見できるため、電子よりはるかに便利である。