「俺たちのTwitter」

そう公言して憚らないのがTwitterユーザーであり「最近のTwitterは俺たちのTwitterに無茶苦茶しやがる」と今日もTwitterへの文句が止まらない。

これだけ時間も思考もTwitterに持って行かれているのだから、少しぐらい自分のものだと勘違いしても許してもらいたいところだが、Twitter側からすれば、パーティに呼んでない奴が突然乱入してきた上、相手は自分がパーティの主役だと信じて疑っていないという「恐怖」でしかない状態だということもわかる。

この「Twitterは誰のものなのか問題」だが、ここにきていきなり「イーロン・マスクのもの」という正解が出てしまった。

まずイーロン・マスクとは何者かというとアメリカの実業家であり、電気自動車メーカー「テスラ」の共同創始者である。

つまり我々の対極にいる人物であり、そんな彼がどうしてTwitterを買収したのかがまず謎だ。

常に教室の中心を陣取っている人間が、俺たちの最後の砦である図書室やピロティそして水飲み場まで占拠するがごとき非人道的以前に不可解すぎる行動なのだが、イーロン氏は買収に際しこうコメントしている。

「言論の自由は民主主義の基礎であり、Twitterは人類の未来に対する重大な問題を議論するデジタルタウンの広場だ。新機能によるプロダクトの強化や、信頼性の向上にための アルゴリズムのオープンソース化、スパムボットの打破、すべての人間の認証などにより、Twitterをよりよい場所にしていきたい。Twitterは大きな可能性を秘めており、会社やユーザーらと協力して、それを解き放つことを楽しみにしている」

こちらとしては「ノーいいね!ノータイムライン!」と高らかに宣言するだけで感涙に咽び泣き、全面的にマスク支持者となるのだが、どうやらイーロンも今の運営と同様Twitterを意識の高い言論ツールにしたいようである。

肥溜めを風呂に改造するより、新品の風呂を作るほうが簡単だと思うのだが、実業家というのは総じて「困難に立ち向かいたい」というマゾヒズムを隠さないところがある。

イーロンレベルの実業家ともなれば、もはや「Twitter浄化」ぐらいのハードプレイでないと満足できないのかもしれない。

Twitterの「らしさ」が詰まった有料プラン

イーロン氏の方針としてまず話題になったのは「Twitter有料化」である。同氏が「月額2ドルの課金を提案している」という記事が引用されたのだが、これは日本未実装の追加課金機能「Twitter Blue」のことを指しており、完全有料になることはないだろうと言われている。

「Twitter Blue」に入ると何ができるか、というと日本語版ヘルプページが「プレミアムな機能が使えるようになります、プレミアムな機能について詳しく説明はしません」という仕様だったので詳しくはわからなかったが、ツイートをキャンセルできたりするようだ。

アプリの有料版と無料版の違いと言えば、何はなくとも「広告非表示」だと思うのだが、なんとTwitter Blueにも断固として広告は入るらしい。有料版になってもユーザーが一番望むものは与えないところがTwitterらしくてとてもいい。

どれだけ優れていても「有料の壁」というものはあり、万RTされたTwitter漫画であっても、単行本化したらそんなに売れなかったということはある。金を出させるハードルというのは想像以上に高いのだ。

Twitterがその壁を越えられるかというと、正直1日68時間Twitterをやっている私も自信がない。

私は、ツイートの間に売れている漫画の広告が入るのが苦痛で仕方がないため、あれが消えるなら課金もやぶさかではない。

しかしヘルプページの「よくある質問」欄の「Twitter Blueは広告なしですか」という問いに対して力強く「いいえ」と答えている現状では、課金意欲が湧かないのである。

カレー沢薫、イーロン・マスクに認められる?

  • Twitterの認証バッジ、有名人が「申請したがはねられた」とツイートする例もあるなか、カレー沢さんには「降ってきた」そう

    Twitterの認証バッジ、有名人が「申請したがはねられた」とツイートする例もあるなか、カレー沢さんには「降ってきた」そう

このように今日もTwitterへの文句が止まらないのだが、実はイーロン氏に対してはあまり強く言えないところがある。

なぜなら私はイーロンのお眼鏡にかなったからだ。

つい最近、私のアカウントに突然「認証バッジ」がついたのである。イーロンがTwitterを買収した途端バッジがついたということは「イーロンに認められた」と思っていいだろう。

しかし問題は私が「認証バッジの申請をしていない」という点である。

確か、公式マークは本人が「自分はなりすましとかではなく本物なので公式マークをください」とTwitterに申請し、認められるとマークがつく仕組みだったはずである。気づかない間に申請したのかもしれないが、そんな複雑な誤タップはさすがにありえないのではないか。

つまり、認めてくれと頼んだわけでもないのに、突然「いいぜ俺が認めてやろう」とバッジを渡された感じである。

Twitterはついに「申請に対し本物か否か見極める」のではなく、「お前が本物かどうかは俺が決める」という次のステージに進んでしまったのだろうか。

つまり持ち主が変わってもTwitterは今の所いつもの調子、むしろさらに調子に乗っているようで何よりである。