新しい文化や技術が生まれると、必ず現れると言われているものが3つある。

まず、それを利用して犯罪含む金儲けを企てる者。次に何とかしてこれをエロいことに使えないだろうかと考える者。最後に、それに関する「クソマナー」だ。

コロナ禍に現れた「三つの大罪」

実際、コロナを機に普及したリモートワークでも、偽ZOOMをインストールさせてサポート料金を請求するなどの詐欺や、「ZOOMでお前のセルフプレジャー動画を撮影した、拡散されたくなかったら金を払え」という強迫事件などが起こっている。

そして、用もないのに女子社員と通話したがったり、プライベートな話をしたり、「私服姿も可愛いね、今度はパジャマ姿とかも見たいなナンチャッテσ(^_^;)」とウザ絡みする「リモートワークセクハラ」なる言葉も生まれていた。

さらに、「リモート会議は下っ端から入室し、退出は上から」や「偉い人は画面の『上座』に表示する」など、「リモートクソビジネスマナー」もバッチリ発生している

どれが一番迷惑かというと意見が分かれると思うが、深刻度で言うと犯罪に利用しようとする人間が一番厄介かもしれない。

新しいシステムを悪用しようとする人間は、頭が良く、発想力に優れ、行動力もある。これであとは倫理観さえあれば最高だったのだが、神も「それは与え過ぎやろ」と、そこだけブッこ抜いてしまったのかもしれない。

性犯罪やセクハラへの悪用は当然大問題である。だが、「これを股間に当てたら新しい知見が得られるのでは?」と、自己探求が目的で行う「新技術のエロ利用」はノーカンにしても良いような気はする。

しかし、「最新のアイフォーンが尻から抜けなくなった」など、探求の結果遭難して救急車を呼ぶことになったらやはり迷惑なので、インディ・ジョーンズもほどほどが肝心だ

クソマナーで被害を受けているのは誰?

  • マスクの色や柄が「マナー」で縛られるのは面倒ですが、何でもアリとなっても困ることがありそうです

    マスクの色や柄が「マナー」で縛られるのは面倒ですが、何でもアリとなっても困ることがありそうです

そして、地味に迷惑なのが「クソマナー」だ。

「マナー」というのはルールではないので、定める機関が存在するわけではない。よって、新しい文化が生まれるたびに、誰かが勝手に「マナー」を作り出し、「それを守れていなければ失礼に当たる」とされ、職場での面倒が増える問題が起こっている。

このようなどうでも良い仕事上のマナーのことを、ネットでは「クソビジネスマナー」、そしてそれらを作り出していると思われる「マナー講師」を「失礼クリエイター」と呼び、度々その存在が話題になっている。

最近もテレビでマナー講師監修の「マスクマナー」が放送されたことにより「マナー講師」がTwitter(ツイッター)のトレンドに上がっていた。その内容は「白シャツに黒マスクはNG、黒スーツに黒マスクはOK」、「イラストや柄ものはNGだが会社のロゴ入りはOK」というようなものであった。

この放送に対し「完全に個人の感覚やんけ」「何の権限があってマナー講師が勝手に線引きをするのか」と批判が相次ぎ、河野太郎行政改革担当相もツイッターで「ヤメレ」といつものコメントを出した。

マナー講師がなぜ強引にマナーを作ろうとするかというと、「俺が法律だッ!」とスタローン状態になりたいとの説もあるが、複雑なマナーを作ればマナー講習に人が集まり、儲かるからとも言われている。

一方で、「マナー講師に対する熱い風評被害」と同情の声も上がっていた。確かにどの業種にも、悪い人間もいれば良い人間もいる。マナー講師が全てネットで言われているようなことを言ってはいないだろうし、全てのマナーが不必要なクソマナーというわけでもなく、最低限のマナーはやはり必要である。

マナー厳守でも廃止でもなく、ちょうどいい塩梅で使いたい

最低限のマナーぐらい講師に教えてもらわんでもできるわ、と思うかもしれないが、人間と言うのは教えられなければ言葉も喋れないし、全裸のままなのだ。

たとえば、パンツを与えられてもそれが何だかわからないので頭にかぶってしまうのである。リモート打ち合わせの画面にパンツをかぶって登場する人間と取引したいと思う会社は稀だろう。

人間は「教えられなければわからない生き物」であり、マナーも教える人間は必要なのだ。よって「クソビジネスマナー」が誠のように流布するのも危険だが、「マナーは全部クソであり、それを教える講師も全部クソ」となるのもまた危険である。

マナーというのは「失礼でないようにする」以前に、「こいつと仕事しても大丈夫そう」と相手を安心させるためにもある。そのため、「マナー不問」にすると、社会で恐怖を感じるシーンが増えてしまうような気もする。

実際のところ、相手はそんなに細かいマナーを気にしているのか、というと、人によると思う。

「こんな細かいところ誰も見てねえよ」、と適当な格好でリモート会議に出たら、「お前それジャパハリネットのライブTやんけ」と気づく人もいれば、背景が宇宙でも気づかない人もいる。

つまり、「誰が見ても不自然を感じない姿」で出れば問題はなく、そのためにも規範は必要だ。

ただ、リモート会議は、相手も表示されるが自分の顔も表示される場合が多いので、「相手がずっと自分の髪型のみを気にしていて、もはやこちらが全裸でも気づかないのではないか」と感じることもよくある。

しかし、だからといって試しに全裸になってはいけない。それが最低限度のマナーだ