「恋のお師匠・ジュテーム清水」が毎週木曜にレッスン!

「あなたはそのままでいい。自分らしく生きていればいつか運命の男性が現れるよ」。こんな甘い恋愛アドバイスに真っ向から反論する男がいます。その名は、"ギターを教えなくても稼げるギター講師"こと清水邦浩くん。「恋のお師匠・ジュテーム清水」の変名も持つ彼は断言します。

「恋愛は楽器演奏と同じ。正しい方法論にのっとって努力(練習)を重ねることで必ずうまくなります。自己流のやり方で彼氏ができないのであれば、僕の方法を試してみてください。運命なんて今すぐ変えられますよ」

ギター教室の生徒たちの恋愛相談を受け続けて10年。清水くんはついに「恋愛力を高める方程式」にたどりつきました。音楽とビジネスの理論を組み合わせて編み出したその方法論を惜しみなく公開します。

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女性客がジュテーム清水に激怒。その行方は?

恋愛力とはモテ力ではない、彼氏を作る力である――。そう力強く宣言するのは我らが恋のお師匠・清水くん(36歳)。本連載では、彼が唱える恋愛の方法論を解説してきました。「恋愛力(彼氏を作る力)=好きな人リスト×リピート(接触頻度)×コミュニケーション力」ですね(詳しくはバックナンバーをご覧ください)。

清水くんは語り口が面白いので、連載のためのインタビューではいつも笑わせてもらっています。ぜひ読者の方にも生で聞いてもらいたいと思い、先月、僕が不定期で開催している「スナック大宮」というイベントで、清水くんの恋愛講座を開きました。15人(満員御礼! )のお客さんが参加してくれて、質疑応答の時間も盛り上がりましたよ。恋愛講座の終了後、清水くんと僕も客席に混じって飲み食いしながら交流しました。

盛況に気を良くした僕は、お客さんとして来ていたオシャレな美女に声をかけたのです。「今日の講義はいかがでしたか。少しはお役に立ちましたか? 」と。当然、「すごく面白かったです。ありがとうございました! 」という返事を期待して……。

しかし、その女性は表情を硬くして、「全然役に立ちませんでした。っていうか、好きな人を複数リストアップするなんて許せない! 」と声を荒らげたのでした。予想外の事態に弱い僕は頭がフリーズ。意味不明の薄笑いを浮かべてしまいましたよ。

後から聞いたところ、彼女は付き合っていた男性に浮気された挙げ句にフラれたばかりだったのだとか。男性不信が募っていたタイミングで、清水くんがいつもの調子で露骨な恋愛理論を展開したので、怒り心頭だったようです。それなら、僕に「つまらない。前の恋人の非道を思い出して腹が立つ」とかみついてきたのも納得です。

今までの考えと行動の結果が「現在の自分」

清水くんが奥さんと経営する「喫茶スロース」(愛知県蒲郡市)にて。遊びに来てね!

会場では呆然としてしまった僕ですが、こうして原稿を書きながらこの女性を振り返ると、とても正直で面白い人だと感じています。初対面のイベント主催者に対して、「つまらない」なんてぶっちゃけられますか、普通? この女性は、清水くんが説く「コミュニケーション力の極意=自己開示」をすでに実践しているのです。

実は、すてきな後日談があります。この彼女は、同じくイベントに来ていた好奇心旺盛なイケメン男性客(独身)に声をかけられて、数週間後にはめでたくお付き合いを始めたのです。自覚していないかもしれませんが、「今回のイベントを一番役立てたのは明らかにあなたですよ! 」と僕は彼女に言いたい!!

興奮気味の僕に対して、清水くんは「よくあることです」と余裕の表情。コミュニケーション力(面白さ)が高いこの女性は、男性も参加する恋愛関連イベントに参加した行動自体が「好きな男性のリスト」を増やすことにつながったのですね。

「結婚したいのに結婚できていない人は、『今までの考えと行動の結果が現在の自分なのだ』と認識することから始めるべきだと思います。そうすれば、考え方を変えることができるはずです。目新しいやり方でも、少なくとも一度は実践してみる価値があるのではないでしょうか。ただし、僕の方法論で結果が出なくても責任は持ちません(笑)。うまくいかなかったらやめて、別の方法を探せばいいだけです。頑なにならず、『はい、次! 』の精神で柔軟にしぶとく生きてほしいと思います」

無責任な他人の考えに振り回されない

ダメな考えの結果が今のダメな自分――。やや露骨すぎる表現ですが、清水くん流の激励だと思ってください。清水くんは、恋愛や結婚をしたくない人にまで強要することは絶対にしません。

「僕のギター教室の生徒で、『周りが結婚しているから婚活しなくちゃいけない気になるけれど、他人のことがあまり好きじゃない。特に男性と付き合ったりするのは苦痛』と明かす女性がいます。僕の答えは、『なら彼氏なんて全然いらんでしょ! 』ですね。結婚したければすればいいし、したくなければしないでOK。他人の視線や意見なんてどうでもいいんです。有益なことがあるかもしれないので耳を傾けることは大事だけれど、採用しなくても全然かまわない。所せん、無責任な他人の意見ですからね」

そういえば、清水くんは聞き上手なのに頑固者。10を聞いても1ぐらいしか流されない男です。ただし「これは面白そう」と思ったアイデアには、すぐに飛びついて実践するフットワークの軽さがあります(すぐに飽きてしまう短所もありますが……)。

もうおわかりのように、この連載の内容も「無責任な他人の意見」に過ぎません。でも、少しでも「面白そう。自分に合うかも」と思ったら試してみてはいかがでしょうか。これで理論編は終わり。来週からはモニターの独身(彼氏なし)女性に協力していただき、実践・応用編に入ります!

<著者プロフィール>
大宮冬洋(おおみや・とうよう)
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。読者イベント「スナック大宮」を東京と愛知で不定期開催。食生活ブログをほぼ毎日更新中。

<協力者プロフィール>
清水邦浩(しみず・くにひろ)
ギター講師。愛知県岡崎市・蒲郡市で清水邦浩ギター・ウクレレ教室を経営。