わたしたち日本人にとって粗大ゴミと言えば、「古くなったり、不要になったり、家にあると邪魔だったり」でついつい捨ててしまうもののことを言いますよね。そしてその回収費も時には有料。筆者の住む地域なんかでは、処理場に自分たちで持ち込むならタダ。ただし回収を依頼すると、一個あたり何と3,000円という大枚な額を請求されてしまうんです。
ところがアメリカをはじめ諸外国に目をやってみると、粗大ゴミという感覚でものを捨てるという概念はあまりないようで、それ故かビックリでしょうが、英語には「粗大ゴミ」を表す言葉すらないんです。
じゃーそんな国の人たちはどうやって「粗大ゴミ」を処理しているんでしょう?
皆さん"flea market"(フリーマーケット)ってご存じですよね。外国では毎週のように日曜になると大きな駐車場なんかで開かれるノミの市。これこそが不要になったものを持ち寄って売る場所。買い手も心得たもの、何か必要になったら、"brand new"「新品」ばかりではなく"used"や"secondhand"と呼ばれる「中古品」も併せてしっかり品定めするのが当たり前なんです。
そしてその個人版に当たるのが、
・garage sale(個人のガレージで開く市)
・yard sale(個人の庭先で開く市)
・moving sale(引っ越しのときに開く個人ベースの市)
・estate sale(個人のお屋敷で開く市)
と呼ばれているもので、これらにはその家で不要になったものがずらりと並びます。
中にはまともなものもあったりはするんですけど、その殆どはわたしたち日本人から見ると「がらくた」。「こんなものまで売るんだ!?」と驚くようなものも少なくないんです。で、筆者が今までに見た中で一番驚いたのが「ボロボロになった男性の使用済みトランクス」。洗濯はしてあるようでしたけど、どう見ても何度もはいたパンツ。それが堂々と売られているのには本当にビックリ。確か40セント程度の値が付いていたと思います。
ただし自称「お金持ち」と称する人たちが開く"estate sale(お屋敷セール)"は一見の価値あり。映画俳優や著名人といった"celebrities"が開くセールでは、そんじょそこらのアウトレット顔負けの商品が並ぶこともあり、それも破格の値段で。著者の友人にもそんな"estate sale"の常連が結構いて、去年だったかその一人が最新のグッチのディナードレスを20ドルちょっとで買えたと自慢していたこともありました。
一方、自分たちで売るのは結構エネルギーがいるので面倒くさいと言う人たちが利用しているのが"thrift shop"と呼ばれるお店。"thrift"とは元々は「倹約、節約」という意味なので、"thrift shop"はいわば「倹約出来る店、節約する店」といったところ。
"thrift shop"には持ち込んだものをその場で買ってくれるところと、委託販売形式をとっているところの2タイプあるんですが、この種のお店の最大の売りは、売り上げは全てチャリティーに行くということ。つまりこの種のお店では、売っても買っても、それにプラスして何となく人助けをしたとう満足感が得られることです。で、商品はというと、家電、家具、洋服、バイク、ゲーム機と何でもあり。でもヤッパリ使用済みの下着が並ぶこともあります。筆者が見たものには、確か男性用下着(パンツ)は60~99セント、女性用は60セント~1ドル50セント程度の値が付いていたようです。
いかがですか今度外国に旅行されるとき、ブランド店ばかりじゃなく、こんなところも回ってみたら。情報はローカル紙でチェック。いい社会勉強にもなるし、ひょっとしたら信じられないような掘り出し物に出会うかもしれませんよ。
あっ、それから余談ですが、筆者のアメリカの友人の一人が、日本の粗大ゴミのことを"What-a-waste garbage"「何てもったいないゴミ」と命名したので、こちらも覚えておいてください。皮肉一杯のこの名前、結構的を得ているのかも知れませんね。
ではまた次回。