日本の「お化け」はというと、"not hard working"、あまり働くのがお好きじゃないようで、「秋」「冬」そして「春」はしっかりバカンスにお出かけ。「夏」だけひょっこりお働きになるとても優雅な季節限定労働者です。

ところがアメリカなんかでの「お化け」たちは、年中無休。労働組合がしっかり彼らを牛耳ってるからなのかどうかは分かりませんが、一年365日、せっせと働かされるんです。そしてその一番の得意先と言えばもちろん「お化け屋敷」。

私たちにとって「お化け屋敷」と言えば、夏祭りの境内やテーマパークなどでアトラクションとして開かれるものが殆ど。で、その呼び名はやっぱり「お化け屋敷」。そしてその趣向はどれも似たり寄ったり。暗闇に人が怖がるような作り物を置いたり、お化けに扮したアルバイトが人を驚かせたりなどなど、一度体験すれば、あとはどこのお化け屋敷も同じに感じてしまいます。

でも、欧米なんかではそんなことはまったくなく「お化け屋敷」と一言ではくくれないほどのバラエティーがあるんです。そしてその呼び名もいろいろ。

代表的なものだけでもこんなにたくさん:

名称 日本語訳 趣向
Haunted House(ホンテッド・ハウス) 呪われた館 館とそこに住み着く亡霊たちが主役
Haunted Castle(ホンテッド・キャッスル) 呪われた城 Haunted House の城バージョン
Spooky House(スプーキー・ハウス) 不気味な館 不可思議で不気味なことが起きる
Chamber of Chills(チェインバー・オヴ・チルズ) 身の毛がよだつ部屋 お化けだけに関わらず、いろいろな恐怖が味わえる
House of Skelton(ハウス・オヴ・スケルトン) 骸骨の館 文字通り、骸骨たちが主役
Home of Fear(ホーム・オヴ・フィアー) 恐怖の家 ホラー映画的な恐怖が味わえる
Horror House(ホラー・ハウス) 恐怖の館 こちらもホラー映画的な恐怖が味わえる
Fun House(ファン・ハウス) 楽しい館 恐怖、驚き、ビックリが入り交じって体験できる

日本のお化け屋敷の価値は「どれだけ怖がらせられるか」で決まるようですが、欧米のものはそれだけはなく、「どれだけ楽しませられるか」がメインテーマ。もろ真っ暗にしているところもあれば、高々とライトアップされているところもあったりで、人をどのように楽しませ、且つ、驚かせ、怖がらせるかといったアイデアも日本のものとは比べものにならないくらい。で、規模も千差万別。こじんまりと個人経営で全てが人力に頼る子供だましレベルのものから、ディズニーランドのアトラクションをもしのぐほどの全てがコンピュータ制御の大規模なものまでさまざま。どこもそれなりの風合いがあり、二つとして似通ったものはないんです。

そしてもう一つ驚かされるのが欧米人の「お化け屋敷好き」なところ。デートに、家族でのお楽しみにと、老若男女がせっせと通い続けるんです。そしてその数の多さにもまたビックリ。とくにアメリカなどでは、どの街にも必ず一軒や二軒はあるんじゃないのと思わせるほどで、交差点に手書きの看板を持って「お化け屋敷」をアピールしている人もよく見かけます。もちろん季節は問わず、一年中。

いかがですか、今度外国旅行の折、こういったお化け屋敷にチャレンジしてみては。きっと楽しい思い出が作れると思います。

ではまた次回。

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